JATA、東北復興支援を強化-モニターツアー募集に協力、冬の送客増も

  • 2014年8月6日

 日本旅行業界(JATA)は、東北復興支援の取り組みを強化する。JATAでは今年度の事業計画で、関係省庁、自治体、関係団体などの復興関連施策やイベントへの協力、支援の実施など、東北復興支援を継続して取り組むことを決定。今回、観光庁が実施する旅行会社へのモニターツアー募集の支援をおこなうほか、東北ふゆまつりやJATAの道プロジェクトを実施する。

 観光庁は「東北地域への送客強化による交流拡大事業」の一環で、東北地方の太平洋沿岸エリアなどへの交流拡大の促進をはかり、モニターツアーを募集しているところ。JATAでは東北復興支援の取り組みとして、JATA会員会社にツアーの応募を呼びかけるなど、モニターツアーの募集に協力する。

 モニターツアーは、太平洋沿岸エリアの地域資源を活用した募集型企画旅行が対象。参加者にアンケート調査を実施し全員から調査票を回収することと、モニタツアーに関わる費用に重複した補助がなされないことを条件とする。

 観光庁によると、採択するモニターツアーは約40件を予定。応募期間は10月17日の17時までで、実施期間は12月26日までに報告書の提出が可能なツアーとした。

 また、JATAでは「東北ふゆまつり」キャンペーンを2014年12月から2015年3月まで開催。キャンペーンでは、東北地方は冬の送客が少ないことが課題であることを踏まえ、新たなターゲット層を取り込み年間を通じた観光客の平準化を目的におこなうもの。東北の冬の暮らしを象徴するという「祭り」に焦点を当て、東北特有の文化や冬ならではの景色などの「再発見」をはかり、新たなコンセプトで東北を発信していく。

 これまで、大手旅行会社が中心となり一昨年から実施してきたが、告知がうまくいかないなどの課題があったという。そのため、今回JATAが主体となり「言葉では伝えきれない 東北、冬」を統一ロゴ・キャッチフレーズとして実施。現在6、7社が商品を造成しており、今後JATA正会員にキャペーン開催時期に実施する旅行商品のタイトルに「東北ふゆまつり」を入れてもらうよう呼びかけるなど、協力を求めていく。長期的にキャンペーンをおこなうことで、さらなる商品造成にもつなげていきたい考えだ。

 このほか、JATAでは「JATAの道プロジェクト」も実施。同プロジェクトは、環境省が設定する太平洋沿岸のトレイルコース「みちのく潮風トレイル」を活用しておこなうもので、実施期間は2014年4月から2021年3月までの7年間。今年は10月24、25日に開催する。環境省の「グリーン復興プロジェクト」と連携し、草刈りや清掃のほか、現地を視察した上で観光客への魅力づくりについて意見交換などの場も設ける。関東からのJATA会員60名、東北からの会員20名、関係団体10名が参加予定という。