羽田、国際線2次増枠で訪日増加-未使用枠が課題、交通アクセス改善訴え

  • 2014年7月13日

 7月11日に日本インバウンド・メディア・コンソーシアム(JIMC)が開催した講演会で、東京国際空港ターミナル常務取締役の田口繁敬氏は、3月末からの羽田の国際線2次増枠について「成田空港の旅客はほとんど減っていないので、(訪日客など)新しい需要が創出されたと考えて良いのでは」と語った。

 田口氏は東京入国管理局のデータをもとに、羽田の旅客動向を説明。同局によると、2014年4月の旅客実績で、羽田の出入国者の合計は前年比40%増の85万8493人と大きく増加した。このうち、外国人は入国者が51%増の16万5807人、出国者が44%増の17万7186人と顕著な伸びを見せており、田口氏は「首都圏に近い空港が開いたということで、訪日客の新規需要が増えたのでは」との見方を示した。特に欧州便の昼間時間帯の増加により、欧州からの訪日客が増加傾向にあるという。なお、日本人も入国者が35%増の24万9722人、出国者は37%増の26万3904人と増加している。

 一方、成田国際空港の4月の国際線旅客数は1%減の233万3751人で、日本人は17%減の93万1179人と減少したが、外国人旅客は23%増の99万4590人と前年を上回った。田口氏は「当初は羽田ができて成田が減ったとの話もあったが、蓋を開けてみれば4月は成田(の国際線旅客総数)はほとんど前年と変わっておらず、5月も同じような状況だった」とした。

 同氏は成田との棲み分けについて、国の戦略や各航空会社の戦略を踏まえ、羽田の役割は日本を目的地とした訪日外国人と、日本全国発海外の需要に対応することと説明。羽田は全国49都市との間に1日約490便が就航しており、田口氏は「地方から世界につながっていけることが我々の大きな強み」と強調した。

 また、同氏は2020年の東京オリンピック・パラリンピックを踏まえた今後の課題も言及。国土交通省が7月8日に発表した、首都圏空港機能強化技術検討小委員会による中間取りまとめ(記事参照)について触れるとともに、課題として未使用発着枠の活用を挙げた。昼間時間帯については国家間の航空交渉などの問題から中国と米国合わせて22枠が未使用のままだ。田口氏は「国の政策によるが、我々としては昼間枠は貴重。ぜひ全て使われるような政策をお願いしたい」と語った。

 一方、深夜早朝枠については「40枠あるが、公共交通機関が無い時間帯はなかなか航空会社に便を張っていただけない」と現状を説明。海外の大都市は24時間公共交通機関が利用できるとし、交通機関に対し、深夜早朝のアクセス改善など協力を求めた。