中欧4ヶ国が共同セミナー開催-商品の多様化訴え
ハンガリー、スロヴァキア、チェコ、ポーランドのヴィシェグラード4ヶ国(V4)は6月20日、旅行業界向けにセミナーを開催した。
セミナー冒頭、登壇した日本旅行業界(JATA)海外旅行推進部担当副部長の山口正氏は、2013年の海外渡航者数が落ち込む中、ハンガリーが宿泊者数6%増の16万3000人泊、チェコが2.1%減の24万9000人泊であり「昨年は5月から6月の大雨の影響もあったが、おおむね堅調に推移している」と説明した。
JATAでは昨年からチーム・ヨーロッパとして、ヨーロッパ旅行の付加価値向上と市場拡大をはかる取り組みをしているところ。山口氏は旅行の商品造成には「プランナーに求められる素養は高い。一線を画した取り組みが必要になるのでは」と述べ、V4を含むヨーロッパについて新たなデスティネーション開発や新企画の情報発信を引き続きおこない、更なるサポートを実施していく方針を示した。
また、セミナーでは昨年12月に実施された、4ヶ国をめぐる13日間の研修旅行について、参加者がプレゼンテーションを実施。鉄道でワルシャワ、クラクフ、プラハ、ブラチスラバ、ブダペストを訪問するもので、各地域の魅力に加え、クリスマス・マーケットや参加者による各都市のお土産物ベスト3などが提案された。
このほか、セミナーでは各国が魅力をアピール。ハンガリー政府観光局はハンガリーでのワイナリー巡りや温泉などを紹介。さらに、東ハンガリーとスロバキア2ヶ国を周遊し、7つの世界遺産を2泊3日でめぐる旅を提案した。
また、スロヴァキア大使館は、今年はスロヴァキアのEU加盟10周年、ユーロ加盟5周年、ブラティスラヴァ・ジャズ・デイ40周年などさまざまな記念年である点をアピール。また、ウィーンから70キロ、ブダペストから200キロ、プラハからは330キロであるという地理的な利便性も訴えた。
チェコセンター観光部は音楽をフックにしたチェコの楽しみ方を説明。歴史的な建築物のホールで、7000円前後のリーズナブルな料金で音楽が楽しめる点や、プラハの春音楽祭などのイベントを訴えた。さらに、プラハのヴェレトルジュニー宮殿で来年3月まで実施予定の、ミュシャの「スラブ叙事詩」の展示も紹介した。
ポーランド政府観光局は、ポーランド陶器の人気からFIT層の関心が高まっているが、FITからはツアーでは行きたい場所が入っていないとの指摘もあるとし、商品の多様化の必要性を参加者に説いた。日本ではポーランドの旅行商品はあまり多くなく、2泊3日のワンパターンのツアーが多いことから、新たな視点からのピーアールと商品造成が必要とした。