カナダ、羽田就航や連ドラで日本市場に期待の声-RVC2014(2)
PEI、オンタリオとの組み合わせを-「花子とアン」効果で日本人増
プリンスエドワード島(PEI)では、ACの羽田/トロント線が就航することから、オンタリオ州観光局との協力でオンタリオ・プラス・PEIのアプローチも強めていく。PEI州政府観光局日本代表の高橋由香氏は「利害は一致している。今後もセミナーなどで共同歩調を取っていきたい」と意欲を示した。
また、PEIではNHKの朝の連続テレビ小説「花子とアン」効果で訪問者が増加しているところ。高橋氏によると、今年度の日本人訪問者数はこれまで前年比150%から200%で推移。「旅行説明会も通常の5倍ほどの賑わいを見せている」という。
客層は50代から70代の女性のほか夫婦も多いようだ。全国各地の大手百貨店で「モンゴメリと花子と赤毛のアン展」を開催していることから、「今後もその効果が需要につながるのではないか」と期待しているところ。今年は1万人の日本人訪問者数をめざす。
一方で、高橋氏は「赤毛のアンのイメージが強すぎるため、PEIがテーマパーク化しているのではないかとの勘違いもある。赤毛のアン・プラスで売っていく必要もある」と課題も語った。このことから、農業や漁業が盛んで、新鮮な食材の宝庫でもあるPEIをアピールし、グルメや料理でも訴求力を強めていきたい考えを示した。
エア・カナダ、羽田/トロント線の予約順調、乗継需要も
エア・カナダ(AC)は7月1日に羽田/トロント線に新規就航(羽田発7月2日)。しかし、当初使用機材として予定していたボーイングB787型機のデリバリーの遅れにより、7月1日から14日の2週間はB777型機を使用することになった。これにより、成田/トロント線の機材をB767型機に変更し、7月1日から15日まではバンクーバー経由での運航となる。
NHも羽田/バンクーバー線に就航したことから、当初カナダ路線は供給過多になるのではないかとの懸念もあったが、AC旅客営業部次長の阪井裕司氏はこれまでの予約状況について、「トロントもバンクーバーも順調。相乗効果で露出が増えたのが大きいのではないか」と話す。また、羽田/トロント線については、NH国内線を利用した関西、四国、福岡からの乗り継ぎ需要も多いという。今後についても、「カナダはもともと年間40万人の潜在力のある国。供給過多にはならないのではないか」との見立てだ。
なお、ACではトロント以遠への乗り継ぎ需要にも力を入れているところ。今年12月にはリオデジャネイに新規就航予定で、羽田/トロント線との接続も可能なことから、既存のサンパウロ線と合わせてプロモーションを強めていきたい考え。また、カナダでのアメリカ入国(プレクリアランス)についても、「ビジネス客を中心に認知度が上がってきた」(阪井氏)ことから、トロント/ニューヨーク線やカルガリー/ラスベガス線などへの乗り継ぎ促進も強化していく方針だ。
取材:山田友樹