ドイツ、日独間路線拡大に期待、新たな切り口の商品造成を-GTM2014

  • 2014年5月29日

アジア市場は急拡大を予測
日本に求められる新しい切り口

世界中のバイヤーが情報収集 GNTBでは、3年先のプロモーション戦略を明らかにするとともに、将来的な市場予測も発表した。それによると、2014年の海外旅行者需要は前年比1%から3%増を見込み、2020年には外国人宿泊数は8600万泊に達すると予測している。なかでも、アジア市場に対する期待は大きく、2013年の比較で香港を含む中国が173万泊から220万泊、インドが61万5000泊から150万泊、アラブ諸国が154万泊から200万泊に増えると予測。日本については成熟市場であることから、予想伸び率は高くなく、130万泊から140万泊にとどまる見込みだ。

 国際市場における日本のシェアは、新興国の台頭によって相対的に下がる見込みだが、ブルーメンシュテンゲル氏は、「ドイツと日本の関係は長く深い。ドイツのロングホール市場にとって日本は重要な市場であるのに変わりはない」と強調する。一方で、「日本のライフスタイルのなかで旅行が占める位置は依然として高くない。円高も海外旅行を控える理由にはならない」と苦言を呈し、海外旅行市場全体の活性化に期待をよせる。

 また、新たな市場の開拓については、歴史をテーマとした教育旅行、テクノロジーや医療に関わるMICEの可能性についても言及。「過去と比べると競合デスティネーションが増えているのは事実。しかし、新しい切り口でチャンスは拡大する」との見解を示した。


ブレーメン、歴史とテクノロジーで観光客誘致

ブレーメン観光局ペーター・シーメリング局長 記者会見にはGTM2014のホスト都市であるブレーメンから、観光局長のペーター・シーメリング氏が登壇。「ブレーメンは、伝統と革新がそろうドイツでもユニークな都市」とアピールした。ブレーメンには、世界文化遺産に登録されている「マルクト広場の市庁舎とローラント像」をはじめとする歴史的遺産にくわえて、航空宇宙産業や自動車産業の中心地として数々のサイエンス施設が充実している。

ブレーマーハーフェンのシンボル「気候館」。イブニングイベントもここで開催された また、狭い路地におしゃれな店が立ち並ぶシュノーア地区、かつて職人が集まっていたベトヒャー通りなど、ブレーメンらしい街並みも残ることから、アートとカルチャーの切り口でも訴求力を高めていきたい考えを示した。

 このほか、町の中心を流れるヴェーザー川沿いのプロムナードの開発も進め、ビアガーデンやリバークルージングなどのアトラクションを整備したことを紹介。中心街から車で1時間ほどの港町ブレーマーハーフェンには、ショッピングセンター、カフェ、レストランが並ぶほか、動物園やドイツ移民センターなど観光素材もそろうと話し、郊外へのデイトリップも推奨した。


取材協力:ドイツ観光局
取材:山田友樹