i.JTB、楽天やじゃらんに「挑戦」、2020年に4000億円めざす
i.JTBは2020年までに取扱額を4000億円まで拡大する。ダイナミックパッケージを含めて宿泊販売で2500億円、海外のパッケージとFITで1000億円、訪日で500億円をめざす。
i.JTB代表取締役社長の今井敏行氏によると、2013年度の取扱額は1600億円で、そのうち宿泊券が1036億円。JTBグループ全体の宿泊券販売は3800億円超であり、全体の27%を占めるまでになっている。
しかし今井氏は、5月20日に協力宿泊施設を対象として開催した「感謝の夕べ2014」の冒頭、1036億円とはいえ先行する楽天トラベルやじゃらんnetの「3分の1」であり、特にるるぶトラベルだけでは4分の1から5分の1程度であることから、「まだまだ背中が見えたとは思っていない」と挨拶。
その上で、「やっと4.5倍まで追いつけた、やっと彼らに対する挑戦権を得た」と語り、「第三極」として積極的な取り組みを進めることでさらに取り扱いを拡大していく方針を示した。
目標達成に向けては、「根本的に、もっと強いサイトにしたい」考え。例えば訪日分野では、JAPANiCAN.comのウェブサイトで契約施設を増加するとともに、「るるぶトラベルの日本人向けプランを英語に翻訳して販売している程度」の現状から、「アメリカ向け、フランス向けとしっかりマーケティングして、ニーズに合ったプランを作っていきたい」といい、施設向けコンサルティング力を強化していく。
ジェイティービー(JTB)代表取締役社長の田川博己氏も挨拶の中で、「日本人は少し金太郎飴のよう」であるとし、今後は独自性が求められていくとコメント。グループ全体の交流文化事業やDMC戦略の中で、宿泊施設や地域と共同で独自性を際立たせていきたいと語った。
なお、4000億円の達成時には、楽天トラベルやじゃらんnetの成長度合いにもよるものの、「彼らを1とした時に0.7か0.8(のシェア)」となる予測。この数値は2013年が0.4強で、2014年度には0.5を上回りたいという。
▽ネット販売は「量」重視、店頭は顧客の「質」アピールへ
田川氏は、グループ全体でのオンライン流通の位置付けについて「インターネットでは量を求める」と強調。これに対して、店頭販売については顧客が宿泊施設や地域にもたらす経済効果など「質」が武器になるとの考えだ。
田川氏によると、高級旅館などに強い他OTAの顧客とJTBの店頭で申し込んだ顧客を比較すると、宿泊施設内での消費額でJTBの顧客の方が高いという。今後は「そういう数字を正確に出していきたい」といい、それにより貢献度の高さのアピールに繋げるねらいだ。