新規顧客、「旅行以前」から取り組みを-独身層に注目も、WIT Japan

  • 2014年5月18日

 オンライン旅行業界の国際会議「Web in Travel(WIT)Japan 2014」が5月16日、東京で開催された。日本での開催は今年で3回目。今年は海外からの約60名を含む380名が参加し、「10大トレンド:急速に変化する日本と北東アジア旅行業界」をテーマにさまざまな議論がなされた。

 このうち、「Outbound Flux」と題されたセッションでは、新規需要の取り込みについて旅行会社を中心とした参加者が言及。i.JTB執行役員販売本部長の森口真一郎氏は、2014年の傾向として円安やホテルなどの在庫難などで旅行商品の代金は上がっているため、売上ベースでは順調な滑り出しだが、送客数は増えておらず「新規顧客はどこにいるかというところでは難しい」と課題をあげた。

(右から)トリッピースの石田氏、AAE Japanの木村氏、HISの高野氏、i.JTBの森口氏、香港政府観光局の堀氏 また、ソーシャル旅行サービスを提供するtrippiece(トリッピース)代表取締役の石田言行氏は、「旅行に行く人ではなく旅行に行きたい人」をターゲットにすることで、今までと異なる旅行需要を創出していると説明。

 トリッピースではサイト上でユーザーが企画を立てて参加者を募集し、提携旅行会社が商品化をおこなっている。石田氏は利用者の傾向として、「FITになれなかった、パッケージツアーには飽きた、今まで旅行に行ったことがなかった人が使っている」とし、「新たなユーザーが開拓できた」と成果を示した。

 一方、エアアジア・エクスペディア(AAE)Japanマーケティングディレクター北アジアの木村奈津子氏は、今後伸びしろのあるターゲット層として独身者をあげた。未婚の男女が増加傾向にある中、1人旅需要が今後高まっていくとの考えだ。さらに、予約形態としてモバイル経由の比率が高まってきている点も指摘。14年の強化ポイントとしてモバイル対応を掲げた。

 デスティネーションに注目し、新たな需要の取り組みを指摘したのはエイチ・アイ・エス(HIS)情報システム本部本部長の高野清氏。新しい魅力を航空会社や現地サプライヤーなどと協力して盛り上げていくことが重要とした。さらに、既存の旅行先でもルーブル美術館などの貸切見学のように「オリジナリティのある企画を持って提案すれば、その場所での2度目、3度目はありうる」とした。

 森口氏は、新たな視点での商品展開として、ルックJTBが今年から開始したダイナミックパッケージ(DP)「エアホ」を紹介。DPの自由度を保ちつつ、ルックJTBの専用バスやラウンジサービスを提供する商品で、ルックJTB内で最大のボリュームを誇るハワイの売れ行きが最も良い。森口氏は「ハワイですら、顧客の需要を取りきれていないということを思い知らされた」語り、引き続き同サービスを展開し、新規需要の取り込みをはかる考えを示した。

 このほか、香港政府観光局(HKTB)日本局長の堀和典氏は「オンラインとオフラインの融合」による誘客を提案。HKTBでも、ソーシャルメディアが発達する中、旅行者の体験談や現地の人々のお勧め体験などを、テレビ番組や雑誌、新聞でのピーアールに活用していると話した。