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KNT、修旅向けに位置情報把握システムを本格販売、災害時の安全確保で

  • 2014年4月3日

 近畿日本ツーリスト(KNT)はこのほど、修学旅行向けのリアルタイム位置情報システム「CCRy(ククリ)」の販売を本格的に開始した。同システムは、事故や災害時に旅行中の生徒の安全を確認するため、KNTが京都大学学術情報メディアセンター美濃研究室と連携して開発したもの。昨年秋から京都で試験運用を開始していた。

 ククリはGPS位置情報を用いて修学旅行生の位置情報をリアルタイムに把握できる情報システムで、KNTではスマートフォンとタブレット合わせて350台に実装。修学旅行をおこなう学校に対し、6月まで各端末を1台5000円で貸し出す。7月以降の料金は未定とした。2014年度は1万5000台の利用を目標としており、まずは初夏と秋の修学旅行シーズンに向けて、販売を推し進めていく。端末の台数も今年中に1000台まで増やしていく考えだ。

 ククリでは1秒ごとにGPSデータを取得し、30秒ごとに教員用のタブレット端末にデータを送信。生徒用のスマートフォンではGoogleマップで位置情報を表示し、災害時など緊急時には画面を切り替え、最寄りの避難情報を表示する。避難情報を利用可能な地域は東京、札幌、鎌倉、横浜、京都、奈良、大阪、神戸の8都市で、今後対応都市を広げていく。

 また、教員用タブレットでは生徒の現地情報と端末のバッテリー残量を表示。安否確認のためのメール送信機能も設けており、確認メールを一斉送信、または班ごとに送信できる。

 ククリでは災害時には教員と生徒で直接無線通信ができない場合でも、位置情報はリアルタイムに収集されて旅行期間中蓄積されるため、サーバーへの通信が確保できていれば最新の位置情報を問い合わせが可能。さらに、学校のパソコンから生徒の動きが確認できるため、災害時に現場対策本部や学校対策本部を立ち上げた際は、現地、学校で情報の共有できる。引率教員が生徒の安否を確認できるよう、IP電話機能も搭載した。