ルフトハンザ、羽田2路線就航-ミュンヘン行き初便搭乗率は84%

  • 2014年3月31日

(左から)LH日本支社長のオットー・F・ベンツ氏、東京国際空港ターミナル代表取締役社長の櫻井正志氏、駐日ドイツ連邦共和国臨時大使のシュテファン・ヘルツベルク氏、東京国際空港長の植木憲治氏、全日空営業センター販売計画室長の米倉義友氏、LH日本韓国地区空港総支配人のブルーノ・ボービンガー氏  ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)は3月31日、羽田/ミュンヘン線、フランクフルト線を開設した。LHは1961年から1978年の成田開港まで羽田線を運航した実績がある。同日開催したミュンヘン線の就航記念セレモニーで、LH日本支社長のオットー・F・ベンツ氏は「いつか都心に近い羽田に戻ってくることを決して諦めていなかった」と就航の喜びを語った。

 ミュンヘン線の搭乗者数と搭乗率は、ミュンヘン発が297名で97%、羽田発が257名で84%。ベンツ氏は「(ロードファクターは)平均して9割ととてもよい結果」との見方を示した。羽田線の夏までの予約状況についても計画通り推移しているという。今後は需要に合わせて機材の大型化や座席のコンフィギュレーションの変更など柔軟に対応していく考え。なお、ミュンヘン線については、順次新しいビジネスクラスを投入する計画だ。

LH日本支社長のオットー・F・ベンツ氏 LHの就航により、羽田/ドイツ間はジョイントベンチャー(JV)事業を展開中の全日空(NH)のフランクフルト、ミュンヘン線と合わせ、1日5便が運航することになる。ベンツ氏は「JV事業により、日本発欧州へのトラフィックで我々はリーディングポジションにある」とし、そのなかでも羽田は両社にとって重要なプロジェクトである点を強調。「羽田便は十分な潜在需要があるとみている」とし、とくに羽田発ドイツへの需要に加え、日本の地方発ドイツや、ドイツ経由の欧州、南米などの以遠需要に期待を示した。

 日本の地方発ドイツについては、羽田の国内線ネットワークを活用し、地方発需要の取り込みもおこなっていく考え。スケジュールを選定の際も、NHの国内線ネットワークとの接続を考慮しておこなっている。インバウンドについても羽田を経由した地方への需要を見込んでおり、全体の約2割を予測しているという。

日本発のLH715便は12時19分に出発した  また、以遠需要については、羽田発の3分の2はフランクフルト、またはミュンヘン以遠への乗客となる見込み。両空港はLHのハブ空港であり「LHの優れたネットワークがアドバンテージ。快適に乗り継ぎができる」とメリットを訴えた。欧州での乗り継ぎが主となる見込みだが、例えばフランクフルト経由でサンパウロに行くルートなども乗客から利便性が高いという声があがっているという。

  一方、成田線については「成田で満たせる需要はかならずある」ことから維持すると説明。また、成田/フランクフルト線の日本発時間は午前中であることから、午前中は成田発、正午以降は羽田発と乗客にさまざまな選択肢を提供していきたいとした。

 このほか、ベンツ氏はJV事業において、海外での羽田の認知向上をはかることで、NHのドイツ便に加え、ロンドン便などJW対象路線の販売サポートもおこなっていくと話した。羽田は日本国内では認知が高いが海外での認知はまだ低いとし、都心に近く、国内線との乗り継ぎ利便性が高いといった羽田のメリットを欧州を中心に訴えていく考えだ。