全日空、過去最大の機材発注、国際線強化で1.7兆円分
ANAホールディングス(ANAHD)は3月27日に開催した取締役会で、過去最大となる5機種合計70機の機材発注を決定した。いずれも確定発注で、ボーイングB777-9X型機が20機、B777-300ER型機が6機、B787-9型機が14機、エアバスA321neo型機が23機、エアバスA320neo型機が7機。総額はカタログ価格で1兆7270億円にのぼる。
同日の記者会見でANAHD代表取締役社長の伊東信一郎氏は、「この先15年の中長期的な経営戦略を見通す中で、国際線事業の継続的な成長と国内線事業の需給適合を推進」することで、経営基盤を強化するとねらいを説明。全日空(NH)の機材数は現在220機強で、2020年には今回の発注を含めて約250機となるが、増加分はほとんど国際線用の機材という。
各機材を見ると、大型機ではB777-9Xが既存のB777-300ERの後継機としての位置付け。また、追加発注したB777-300ERは、B777-9Xを受領するまでの国際線拡充に使用する。中型機のB787-9も追加発注で、B787シリーズの発注数は合計80機となり、ANAHDは世界で最も多く同シリーズ機材を発注した航空会社となった。
このほか、A320neoとA321neoは既存のB737-500とA320neoの後継機。A321neoは200席に近いキャパシティとすることができ、飛距離も伸びて国際線にも対応可能なことから、B787とB737の中間に位置する座席数の機材としてより柔軟に需要に対応する。バニラエア(JW)での使用などは考慮していないという。