2月の訪日外客数は20.6%増、増加継続-観光庁、東北への誘客強化
日本政府観光局(JTNO)によると、2014年2月の訪日外客数(速報値)は20.6%増の88万人で、2月単月としして過去最高を記録した。1月、2月の累計は30.5%増の182万4000人で、過去最高ペースで推移しているという。
3月19日の定例会見に観光庁長官の久保成人氏は「(訪日外客の増加は)一時的なものではなく、好調は持続している」と喜びを示し、「2000万人の高みをめざすスタートの年として、訪日促進に総力をあげて引き続き取り組んでいく」と意欲を述べた。
久保氏によると、2月は円高是正による訪日旅行の割安感や、昨夏からの訪日ビザの要件緩和、冬の訪日需要喚起のためのプロモーション強化などが奏功したという。また、旧正月が昨年の2月中旬から今年は1月末に前倒ししたが、旧正月休暇期間が長い中国などで2月に出発の旅行もあったことから、1月に続き需要の押しあげがあったと見る。
市場別では中国、台湾、香港、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インド、豪州が2月単月で過去最高を記録。特にインドと豪州は好調で、豪州についてはスキー旅行のプロモーションを現地のJNTO事務所とともに強化した成果が出たとの考えだ。
また、中国は71.1%増の13万8400人、1、2月累計では92.0%増と大幅に増加。久保氏によると、増加の要因の1つとしてクルーズがあり、2ヶ月間で7本のクルーズが寄港し、推計で1万4600人が訪れたという。
一方、韓国は旧正月休暇の期間が1月30日から2月2日までと短いこともあり、1.2%減の23万1500人と唯一前年を下回ったが、1、2月累計では3.9%増の48万7000人と増加。久保氏は「そこそこ回復基調にあるのでは」との見方を示した。
今後は引き続き東アジア、東南アジア市場に対するプロモーションを強化。14年度予算に盛り込んだ欧州、インド、トルコなどの潜在市場への取り込みも進めていく方針だ。
また、久保氏は東北地方への訪日客の誘致についても言及。東日本大震災発生前の東北6県の訪日外国人宿泊者数は年間50万人泊超のレベルであり、「まだ震災前水準に回復していない。努力は必要」だという。
ただし、2013年の宿泊数は12年比17.8%増の27万4000人泊と前年を上回っており、久保氏は「回復の兆しを回復につなげるため、積極的に(対策を)やっていく」と意気込みを述べた。今後は引き続き放射線量の最新情報を提供するとともに、海外の旅行会社やメディアの招聘、ビジット・ジャパン地方連携事業での訪日促進など、可能な限り早期回復をめざして活動していく。