TCSA、CS実現の観点で処遇改善を訴え、「添乗サービス成り立たない」

  • 2014年3月3日
▽添乗サービス業は「人材育成型」の人材派遣業
 派遣料金設定の概念見直し急務


 一方、賃金と派遣料金の比率は73.2%と26業務で2位と高水準。今や、添乗サービス業は経験活用型から人材育成型の人材派遣業に代わっているというが、社会保険、有給休暇費用、一般管理費等を考慮すると、人材育成はもちろん、適正な労務管理もままならない状況だと指摘。「10年間、添乗員調査に携わってきたが、もはや処遇改善に本気で取り組まなければ立ち行かなくなる」と危機感をつのらせた。

 添乗員の派遣料金については、「旅行会社の添乗日当がベースになっていると聞いたが、理解しがたい」と言及。他業界の人材派遣業者には「派遣元がタリフを持って営業するのが普通」と驚かれる状況であるとし、料金の主導が派遣先にある添乗サービス業の特異性を指摘した。その上で「添乗員の不足は旅行会社も危惧しており、能力ある添乗員の育成を求めているはず」として、派遣料金の見直しの必要性を訴えた。

 同時に、派遣元となる添乗サービス業にも「添乗員と本当に向き合っているのか。責任を持って育成し、定着させる努力をする必要がある」とさらなる自助努力を促した。

 なお、TCSAでは調査で判明した添乗員の仕事の実態やデータを含めたガイドブック「より良い添乗サービスを目指して、ESなくしてCSなし」を作成している。