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日本旅行、13年営利は0.8%増-14年は投資強化

  • 2014年3月2日

▽14年は減益予想、ビジネスモデル転換はかり投資強化

 2014年12月期(2014年1月1日~12月31日)の連結業績予想では、営業収益は13年比0.3%増の531億円、営業利益は39.5%減の11億円、経常利益は12.9%減の18億3000万円、当期純利益は12.2%減の11億4000万円とした。日本旅行単体では営業収益が0.3%減の450億円、営業利益は59.2%減の3億5000万円、経常利益は17.6%減の8億1000万円、当期純利益は18.5%減の4億4000万円で、減収減益を予想する。

 日本旅行広報室によると、政府の経済政策による景気回復に期待がかかるが、消費税の値上げによる買い控えや海外経済の動向などを懸念。他社との競争激化やサプライヤーの直販化を踏まえ、全体として収益の低下を見込んでいるとした。

 14年度は中期経営計画の2年目であり、「ビジネスモデル転換をさらに推進し、中期経営計画達成への基盤をより確かなものにする年度」との位置づけ。モデル転換の早期実現をはかり、インターネット販売の拡大に向けた広告宣伝費などの増加や人材育成のための教育、研修費など、積極的にコストを掛けて投資をおこなうことも減益の一因だという。

 具体的には5つの中核分野への取り組みを更に強化し取り扱いの拡大をめざすとともに、顧客のすそ野拡大と囲い込みをはかる。中核分野のうち、教育旅行では各種大会への取り組みを強めるとともに、自社オリジナルコンテンツ開発を推進。MICEでは首都圏の専門特化型営業を強化するとともに、地域行政との連携を広げた各地に根ざした営業を展開していく。BTMでは「出張なび」の導入を拡大。企業のグローバル化に対応した新サービスを検討する。インバウンドでは中央省庁などとの予算事業や国際会議などの受注拡大に向け国内営業を強化。OTAを含む海外旅行会社の連携の深化をはかったいく。

 また、個人旅行で引き続き熟年・シニアと女性を重点顧客層として展開。インターネット販売と店舗販売で連携し、双方で顧客拡大とリピーター化に取り組む。海外旅行事業ではヨーロッパやアジアなどの商品を市場動向を踏まえて充実させるほか、「ベルン・ジャパンウィーク」や台湾での「日本の観光・物産博2014」など、各イベントへの取り組みをさらに推進。このほか、訪日で2020年東京オリンピック開催に踏まえた準備にも着手していく。