主要57社、13年通期の海外旅行は1.7%減、後半は回復基調

 観光庁が取りまとめる主要旅行会社57社の取扱概況で、2013年1月から12月の数値を合計すると、海外旅行の累計取扱額は前年比1.7%減の2兆2678億5048万円となった。上半期が3.8%減の1兆325億214万円となったが、下半期が0.2%増の1兆2353億4834万円となり、緩やかな回復傾向が見て取れる。

 企業別でみると、ジェイティービー(JTB)14社が0.7%減の4989億7657万円で首位に。次いでエイチ・アイ・エス(HIS)が2.9%増の3607億1247万円、阪急交通社が11.4%減の2308億6176万円、KNT-CTホールディングスが7.8%減の1708億8940万円、日本旅行が4.1%増の1419億4437万円などで続いた。

 伸び率で見ると、JTBグループ各社を含めるとJTBグローバルマーケティング&トラベルが11.8%増で唯一2桁の増加。2位以下は、トラベルプラザインターナショナルの7.8%増、ジェイティービービジネストラベルソリューションズ(JTBCWT)の5.5%増、i.JTBの5.0%増となり、JTBグループ以外では郵船トラベルが5.0%増で最高値であった。また、年間取扱額が1000億円を超える企業では、日本旅行が最も高い伸び率を示している。

 プラス成長した会社は25社だが、平均の伸び率は2.9%増。逆に、前年を割り込んだ32社の平均は8.4%減となった。目を引くところでは、急成長していた楽天トラベルが0.9%減の162億8052万円となり、主要旅行会社の調査対象となってからは初の前年割れ。

 また、昨年は円安のほか、中国と韓国方面への需要低迷が特にレジャーを中心に続いたとされているが、企業別の増減率を見ると、JTBCWTや郵船トラベル、エヌオーイー、エムオーツーリスト、阪急阪神ビジネストラベルがプラス成長するなど、業務渡航は比較的に影響が少なかった可能性が見られる。

 海外募集型企画旅行の取扱概況でも、取扱人数が8.5%減の409万5711人と減少した一方、取扱額は前年とほぼ変わらず(0.01%増)767億237万円。単価は9.3%増の約18万7000円で前年よりも約1万6000円高くなった。


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