アクセスランキング、1位はANA国際線1.5倍、2位はNZの積極展開

[総評] 今週は、ANAホールディングス(ANAHD)の中期経営戦略についての記事が1位になりました。全日空(NH)による国際線の座席供給量を、2016年度までに2013年度比で45%増とし、国内線を上回る規模に拡大しようとするもので、多くの方が関心を持たれたのではないかと思います。

 詳細は記事でご紹介した通りですが、座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)を3年でほぼ1.5倍にするということは、今年3月末からの羽田増便を含めた数値とはいえ相当なスピードでの事業展開が求められそうです。

 また、伸び率ばかりでなく、2016年度に国際線が約600億キロ、国内線が600億キロ弱とするASKの数値自体にも目を引かれます。ASKの規模はすなわち事業規模であり、日本航空(JL)との単純比較で現時点でも国内線はNHが上回っていますが、国際線も逆転する可能性が高いわけです。

 直近で2013年通年(2013年1月1日~12月31日)のJLの実績を見ますと、ASKは462億キロで、仮に600億キロをめざすとすると約30%の拡大が必要となります。

 JLは、以前は1000億キロを上回っていた会社ではありますが、周知の通り現在は経営体制が変わっていますし、さらに現行の中期経営計画では2016年度の数値を約538億キロ(2011年度実績の25%増)と置き、その計画期間中の新路線開設は航空局が「抑制的に」判断するとしていますから、このままであれば600億キロに届くことはないでしょう。

 もちろんNHにせよJLにせよ、あるいは他の航空会社も同様ですが、最も重要なのはロードファクターやイールド、ユニットレベニューを高め、ユニットコストを削減していくことですから、規模の大小で企業としての価値が決まるわけではありません。

 例えば営業利益率で見ると、JLは2014年3月期第3四半期で13.9%となっていますが、ANAHD代表取締役社長の伊東信一郎氏は航空会社として「異次元」であると話され、ANAHDの中計でも2016年度の目標は7.0%に置いています。

 一方で、やはり「ナンバーワン」という言葉には社内外を問わず心象を左右する力があるでしょうし、旅行会社にとってはより直接的に影響が出る可能性があります。3年などあっという間に過ぎていくわけですが、果たして2社がその期間にどのような展開をするのか、大いに気になるところです。

 なお、ランキング2位にはニュージーランド航空(NZ)によるキャンペーンの記事が入りました。燃油込み7万5000円からという運賃のインパクトもそうですが、個人的には日本・韓国地区支社長のスコット・カー氏の、日本市場に対する熱い思いを少しでもお伝えできたとすれば嬉しく思います。

 詳しくは後日掲載するインタビューでご紹介しますが、カー氏はNZに入社して最初の業務が日本からの団体旅行の予約であったそうで、そのせいもあってか日本人旅行者を倍増しようという大きな目標を掲げておられます。印象的であったのは旅行会社とともに成功をめざそうというお気持ちで、是非とも実現してほしいと願っています。

 折しも、21日には旅行業界向けの優待運賃もご登録いただいたところで、エコノミークラスで燃油込み6万円から、プレミアムエコノミーでも10万円からということです。他の優待情報も同様ではありますが、お時間のある方は是非現地に赴いて販売に役立てていただければと思います。(優待情報一覧ページ)(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2014年2月第4週:2月16日0時~2月21日18時)
第1位
ANA、16年度までに国際線45%増、国内線上回る-中期経営戦略(14/02/16)

第2位
NZ、旅行者倍増へ大型キャンペ、オークランド燃油込7万5000円も(14/02/18)
ニュージーランド航空、水着モデル起用し新安全ビデオ(14/02/18)

第3位
アシアナ航空、成田、関空線にA380導入-6月から(14/02/18)

第4位
KNT-CT、13年は増収増益、クラツー統合で-14年も増加見込む(14/02/16)

第5位
アエロメヒコ、成田線を増便、B787で週4便-以遠で新路線も(14/02/17)

第6位
楽天、楽天トラベルを吸収合併へ、シナジー強化(14/02/17)

第7位
プリンセス・クルーズ、14年10万人めざす、若者や3世代の取り込みも(14/02/18)

第8位
ジェットスター、福岡/バンコク/シンガポール線に就航へ(14/02/19)

第9位
ピーチ、搭乗不能時に代金補償、保険サービス導入で(14/02/16)

第10位
タイ、観光に支障「ほぼない」-14年日本人は155万人目標(14/02/17)