免税品の消費額、トップは中国人-日本は5位に
グローバルブルーの子会社であるグローバルブルー・ティエフエス・ジャパン(グローバルブルーTFS)がこのほど発表した2013年の旅行者の免税品消費動向によると、免税品購入額に占める割合が最も高かったのは中国で28%となった。これは、同社のタックスフリーショッピングサービスを介して得たデータを国籍別に集計したもので、2013年4月から12月と前年同期を比較している。
データによると、中国人旅行者の免税品購入額のシェアは過去5年間連続で第1位。2012年の中国人海外旅行者数は8200万人だが、グローバルブルーTFSでは2016年までに中間所得者層の増加で海外旅行が可能な家庭が増える見込みであるとしており、2020年までに2億人となる予想だ。中国人海外旅行者数の増加に加え、中国では文化的にも買い物が重視されており、他国の旅行者の3倍買い物をしていることなどから、同社では中国は今後も重要なポジションを維持するとの予想を示した。
2位はロシアで16%、3位が米国とインドネシアで4%。5位はタイと日本で3%となり、その他の国々で42%となった。
また、免税品取引件数ではロシアが1位で、世界中の取引の22%を占めた。中国は2位で17%。ただし、伸び率ではロシアが14%、中国が29%と中国が高いことから、中国人旅行者の消費の増加傾向が伺えるという。
海外旅行者の買い物先は、1位がフランスで、以下イタリア、英国、シンガポール、ドイツと続いた。世界の旅行者の72%が以上5ヶ国を訪問し、買い物をしているという。日本人の海外旅行者では、フランス、イタリア、シンガポールの3ヶ国で、1取引あたりの消費額が多い上位5国にランクインした。ただし、日本人海外旅行者による免税品消費総額は前年比で 33%減と減少。円安や景気回復の遅れから、旅行者の買い物が減ったことが要因との分析だ。
▽訪日外国人旅行者の消費総額1位も中国-上位5位はアジア圏
訪日外国人旅行者の国籍別免税品消費総額では、1位は中国で42%となり、台湾(13%)、タイ(8%)、香港(7%)、韓国(7%)と続いた。その他は23%だった。タイについては2013年の訪日ビザ緩和や航空座席数の増加により、増加率が中国を上回る2.6倍となった。
また、訪日外国人旅行者の免税品の平均購入額は、前年比約10%減と減少。ただし、2012年から13年にかけてタックスフリーのショッピングサービスを開始した小売店が1桁台から2桁台へと大きく増加し、利便性が向上したことで、前年の約4倍の免税品が購入された。訪日外国人旅行者の増加や、国別の免税品取扱件数が順調に増加していることから、同社では今後アジアの経済成長や免税対象項目の拡大、円安などが追い風となり、旅行者の消費額が増加する見通しを示している。