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楽天トラベル、アプリ強化でリピーター取り込みへ-訪日、アジアに注力

  • 2014年2月11日

楽天トラベル代表取締役社長の山本考伸氏 楽天トラベルは2月10日に東京で楽天新春カンファレンス2014を開催した。登壇した楽天トラベル代表取締役社長の山本考伸氏は、2014年の強化ポイントとしてモバイルとインバウンド需要の取り組み強化をあげた。

 iPadなどを含むモバイル経由の予約について、山本氏は「(モバイルが)メインの動線の一つになりつつある」とし、アプリの開発に力を入れるなど、モバイル対応をさらに強化していく考えを示した。同氏によると、2014年1月1日の予約流通総額で占めるモバイル経由の割合は、全体の約45%。元日で休みの会社が多かったこともあり通常よりも高い比率ではあるもの、モバイルが予約内で確実に伸びてきていることがわかるという。

 山本氏はモバイルの中でも「アプリ利用者はリピート率が圧倒的に高い」とし、さらなるリピーターの獲得に向けてアプリの改善と利用促進に取り組む考えを示した。楽天トラベルでは昨年からアプリを改善し、利用者の利便性向上に取り組んでおり、昨年7月にiOSアプリ、8月にAndroidアプリ、9月にはモバイル版ウェブサイトを改善。アプリの改善により、例えば2013年10月時点のレビューで3.5ポイントだったiOSアプリの評価が4.0ポイントに上昇するなど、利用者の評価も高まっているとした。

 このほか、スマートフォンページでは宿泊施設向けサービスを増強。2014年夏からは宿泊施設がスマートフォンページのコンテンツとデザインを自由にカスタマイズできるようにする予定だ。

▽インバウンド需要、アジア圏の取り組みに注力

 山本氏はインバウンド需要の強化についても言及。2013年12月末でのインバウンド対応施設数は1万8000軒以上。13年通年のインバウンド予約流通総額は前年比2.0倍で、13年10月から12月の3ヶ月では2.3倍となっており、山本氏は「伸び率が加速している」と手応えを語った。今後も施設に対し、インバウンドの取り扱いを呼びかけていく。

 13年のインバウンドの国別シェアでは、1位が台湾で19.9%、2位がタイで17.4%。3位が香港(14.4%)、4位がシンガポール(9.6%)、5位が米国(8.5%)と続く。山本氏によると楽天グループではショッピング事業でアジアでの取り組みを強化しているが、楽天トラベルでもインバウンド需要の高い東南アジア、アジア圏で力を入れて展開していきたいとした。

 インバウンド向けにはクラウド型出張・経費管理サービス「コンカートラベル」を運営するコンカーと業務提携し、国内施設に加え楽天トラベル外国語サイト対応施設も提供。さらに、宿泊施設の自社ウェブサイト向けの宿泊予約システム「R-with」の英語版を無料で提供し、スマートフォン版利用やカード決済に対応するよう機能を強化するなど、取り組みを進めているという。