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プリンセス・クルーズ、日本に10億円投資、CMなど販促強化

  • 2014年1月28日

(左から)プリンセスクルーズ社長のジャン・スワーツ氏、同社マスターシェフのアルフレード・マルツィ氏、カーニバル・ジャパン代表取締役の木島榮子氏 プリンセス・クルーズは2014年、日本市場での販売促進のため、1000万米ドル(約10億円)を投資する。このほど社長に就任したジャン・スワーツ氏は業界誌らの取材に応え、「巨額を投じるのは、まだ日本でそこまで知られていない国際的なクルーズの認知度を高める、その突破口に我々がなれば」という考えからと説明。TVCMや新聞を使った大規模な広告キャンペーンを実施し、認知向上をはかり潜在需要を掘り起こすことで「(日本の)クルーズ人口を爆発的に増加させたい」と意気込みを語った。

 同社はすでに日本市場で女優のオードリー・ヘプバーンを起用し、広告を展開中。スワーツ氏は、クルーズのエレガントさなどをヘプバーンのイメージに重ね、日本市場にアピールしていきたいとした。特に夏の販売のピークに当たる2月から4月はCMを強化。6月以降は新聞を中心に広告を展開していく予定。

 また、旅行会社に対しても積極的にアプローチしていく考えを示した。スワーツ氏は「日本の場合、特に旅行会社の協力は不可欠」とし、旅行会社の商品造成や、消費者向けのクルーズセミナーの実施に感謝の念を表明。引き続き「旅行会社とタッグを組んでいきたい」と語った。これまでも旅行会社のカウンタースタッフなど現場レベルの社員向けに、オンラインのトレーニング・プログラム「プリンセス・アカデミー」を提供。今後も知識レベルの向上と販売サポートを続けていく。

 プリンセス・クルーズは2014年、サン・プリンセスとダイヤモンド・プリンセスで10コース42本のクルーズを設定。スワーツ氏は14年のターゲットとして、これまでのシニア層に加え、働き盛りの若者層や3世代旅行をあげた。2013年クルーズでは9日から12日間の商品を提供したことで、55歳以上の退職した人がメインだったが、今年は長期の休みが取りにくい顧客でも参加しやすいよう、5日間の短いコースや8日間のコースなどを用意し、幅広い客層にアピールしていく。

 例えば北海道では小樽港を母港とし、サン・プリンセスで「北海道周遊とサハリン」8日間コースを用意。2月から北海道に特化したキャンペーンも展開する。カーニバル・ジャパン代表取締役の木島榮子氏は「クルーズは高嶺の花のイメージがあり、予約に踏み切れない人もまだ多い」とし、キャンペーンにより「クルーズの第一歩を踏み出して」欲しいと語った。

特別メニュー。ヘプバーンの「パスタを一皿入れてほしい」とリクエストに応え「4種チーズのトルテーニ・パスタ」を用意したという  このほか、日本発着クルーズ限定のサービスも展開。4月からの日本発着クルーズで、オードリー・ヘプバーン特別メニューを提供する。今回の特別メニューは、ヘプバーンが初代スター・プリンセスの名付け親として命名式に出席後、同船に乗船した際に提供されたディナーを再現したもの。メニューはフレンチ・イタリアン全6品で構成。全乗客が日本発着の各クルーズで1度、メイン・ダイニングで食べることができるという。

▽訂正案内(2014年1月29日15時25分 編集部)
訂正箇所:5段落第1文
誤:サン・プリンセスとダイヤモンド・プリンセスで「北海道周遊とサハリン」8日間コースを・・・

正:サン・プリンセスで「北海道周遊とサハリン」8日間コースを・・・