日本秘湯を守る会、14年度に設立40周年 スタンプ事業推進

 一般社団法人日本秘湯を守る会(184会員、佐藤好億会長=福島県二岐温泉・大丸あすなろ荘)はこのほど、静岡県熱海温泉の大観荘で2013年度総会を開いた。122会員が出席した。

 会は1975年に33軒の小規模温泉旅館で発足、14年度に創立40周年を迎え、12月16日に東京・上野精養軒で記念式典を開催する。

 佐藤会長はあいさつで「この会は、人間の生き方を問い続けてきた共生の会であり、数字ありきでない生き方をしてきた宿の会です。しかし、そのことで数字もまっとうされてきました。心と心の共感を次世代につないでいきましょう」と呼びかけた。

 40周年を機に会長を退任する意向も示し「この1年は、そのつもりで過ごしてください。次世代の方々には広範囲の勉強をお願いしたい」と要請した。

 会の発足当時からの理念は「旅人の心に添う」「秘湯は人なり」。83年に共同宣伝、相互送客を目的にスタートさせたスタンプ帳制度が人気となり、宿泊者数と会員数を増やしてきた。

 スタンプ帳制度は、旅行者が3年間に会員旅館に10泊すると1泊を無料招待するもので、1泊ごとに各旅館のスタンプを押印していく。期限内の有効スタンプ帳は約30万人が保持し、無料招待者は年間1万5千人程度に及ぶ。

 今年度もスタンプ帳事業の推進と10年から始めたウェブサイトを通じた予約拡大に力を入れる。

 来賓として出席したパートナー旅行会社、朝日旅行の井沢啓社長は「この会の戦い方のキーワードはブランド力だと思います。共生の会としての認識を強く持ち、組織としてブランド力を上げていってください。東京オリンピックも来ます。海外にも会をアピールしていきたい」と期待を込めた。


情報提供:トラベルニュース社