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旅行産業に「イノベーション」を-JTB田川社長、20年へ投資継続

  • 2014年1月23日
JTB「2014年新春経営講演会」会場の様子

 ジェイティービー(JTB)が1月23日に開催した“2014年新春経営講演会”で、同社代表取締役社長の田川博己氏はJTBグループの現状と今後の経営方針を説明し、「旅行産業としてのイノベーション」を実現すると意欲を示した。

 JTBでは“2020年ビジョン”として、“アジア市場における圧倒的NO.1ポジションを確立し、長期的・安定的な成長を可能とする基盤を完成させる”ことをめざしているところ。2020年にはオリンピックとパラリンピックの東京開催が決定し、訪日外客数2000万人の達成も目標として掲げられており、そのためにはJTBだけでなく全旅行産業、そして他産業を含めたオールジャパンでの「イノベーション」が求められるとの考えだ。

 JTBとしては2014年に、重点推進事項として“国内旅行部門の強化とDMCの深化”、“グローバル事業の本格展開とグローバルDMC”に取り組む。このうち、国内旅行については4月1日に“JTB国内旅行企画”を設立予定だが、田川氏はこれを「(2006年の)分社化以降、最大の改革」であると説明。

 海外旅行では2010年の“ルックJTBの決心”から商品革新を進めてきており、2012年には取扱人数が140万人を突破するなど「一定の成果が上がっている」が、「国内旅行はまだまだ改革すべきテーマがたくさんある」との認識。その上で、新会社設立によって「国内旅行における旅行エージェントとしての存在価値への挑戦を、不退転の覚悟でやっていきたい」考えだ。

 具体的には、発と受けの一体化、仕入れと造成の一体化などにより各種の改革を進め、「付加価値のある商品を創造、提案」していく。店頭販売専業のグループ会社からの「マーケットイン」と、従来から「交流文化事業」として推進してきたDMC事業からの「プロダクトアウト」を統合し、「最もふさわしい商品を作る」という。買い取り、販売保証など「リスクを伴う商品」や、訪日旅行にも取り組んでいく。

 また、DMCも「新しい旅行会社の形、交流文化の新しい形。さらにいえば、旅行産業としてのイノベーション」と位置付け。「旅の力をフルに発揮して、地域の様々な課題を解決」することが旅行産業に求められているとの考えから、「発着連動で、新しい観光を基軸とした交流人口の拡大とそれによる活性化」を進める。

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