アクセスランキング、1位はルックJTB新商品、「国際合コン」も

[総評] 今週は、JTBワールドバケーションズがルックJTBで2つの新シリーズ商品を販売するというニュースが1位になりました。商品の概要は記事でご紹介した通りですが、個人旅行のような自由度とパッケージツアーならではの安心感を特徴としたものです。

 2商品は「私だけの旅」と「エアホ」で、前者は添乗員、食事付きのツアーながら、ほとんどの観光や食事を選択制としたものです。自分が行きたいところに行きたい、食べたいものを食べたいという欲求にパッケージツアーの枠組みの中で応えようとする商品です。

 一方、「エアホ」はエア&ホテルの略で、ダイナミックパッケージの商品です。ダイナミックパッケージの自由度に、ルックJTBブランドとして質や付帯サービスの充実を組み合わせてアピールするもので、手配旅行の市場から需要の取り込みをねらいます。

 2商品ともにまったく別のアプローチながら、「募集型企画旅行」の新しい可能性が感じられます。販売、手配、あるいは添乗などあらゆる段階で手間が増えますが、従来と同じことを同じように続けるだけでは成長は困難でしょう。

 個人的には、完全な自由旅行の楽しさも知っているつもりですが、すべてを自分で手配する煩わしさや何かが起きた際の対応を考えるとパッケージツアーの利便性は高いと感じられます。

 面倒を厭わずに旅行を自ら組み立てる人、それを楽しむ人はそもそもパッケージツアーの顧客として対象にはならないでしょうから、パッケージツアーは便利だが従来型の中身には不満がある、といった層からの反応が期待できるのではないでしょうか。

 また、「エアホ」についても、オンラインで航空券とホテルを予約しようとすると、あまりにも選択肢が多く、比較して選び出すこと自体に嫌気がさすことがあります。以前、ベビーカーの売り場を舞台として選択肢が多くなると人は決定を避ける、というようなテレビCMがありましたが、まさにそれです。

 これに対して「エアホ」は、少なくとも初年度は直行便のみ、ホテルも1都市あたり20軒のみということで、私のような人間には分かりやすく、選びやすい商品です。

 ダイナミックパッケージを店舗で販売するとなると、手間と儲けのバランスから躊躇してしまいそうですが、「私だけの旅」を含めて手数料を増額してインセンティブとする方針だそうですので、販売店とその先のお客様がどのような反応をするか、今から楽しみでいます。

 また、今週は、香港で開催される「国際合コン」の記事も6位に入りました。日本に置き換えて考えると、「街コン」はすでに各地で開催されるなど定着しているといって良いはずですが、日本政府観光局(JNTO)と航空局が協力する「国際合コン」となると想像がつかず、インパクトも非常に大きく思えます。

 日本人的な感覚としてはなんとなく大胆というか軽薄というか、国費を投じておこなうことに世論の反発がありそうな気もしますが、逆にいえば、日本が旅行者を呼ぼうとしている国・地域にはそれぞれ独自の「感覚」があるということでしょう。

 訪日旅行者を呼び込みたいがために日本の大切な部分を損なってしまうようでは論外ですが、こうした違和感や発想の違いは逆に誘致のヒントになるような可能性も感じられます。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2014年1月第3週:1月12日0時~1月17日18時)
第1位
ルックJTB、“自由”と“安心”突き詰め新商品、数年かけ完成へ(14/01/14)
ルックJTB、14年度は8%増145万人めざす、ハワイ・欧州など注力(14/01/14)

第2位
13年の旅行業倒産件数は29.7%増の48件-宿泊業は5.3%増の118件(14/01/15)

第3位
エミレーツ、羽田/ドバイ線の時刻変更-羽田同日到着可能に(14/01/14)

第4位
航空局、羽田昼間国際線の未使用枠をITCチャーターへ(14/01/12)

第5位
フォトニュース:春秋航空日本、新造機と制服公開、グリーン基調に(14/01/14)

第6位
香港、「国際合コン」開催へ、独身男女288名募集(14/01/15)

第7位
羽田、PSFCを値上げ-国際線出発旅客は2570円、国内線は290円に(14/01/12)

第8位
トップインタビュー:JATA会長 菊間潤吾氏(14/01/16)

第9位
ウズベキスタン航空、成田/タシケント線再開、4月から週2便で(14/01/15)

第10位
米系3社の13年実績、国際線需要は1.4%増-AA/USが最大手に(14/01/12)