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中国、14年は高品質なツアー造成訴え-ガイドの確保など課題も

  • 2014年1月16日

中国国家観光局東京首席代表の張西龍氏 中国旅行懇話会と中華人民共和国訪日観光客受入旅行会社連絡協議会(中連協)は1月15日、合同で新年会を開催した。冒頭登壇した中国国家観光局東京首席代表の張西龍氏は「中日間はさまざまな分野で厳しい状況」と現状を説明。2013年1月から11月の日本人訪問者総数は約354万人で、前年比で10数%減となったという。2014年は「かなり厳しい状況だが、できる限り努力して増やしていきたい」とした。

 日本人訪問者の傾向としては、需要が安定してあるインターネット経由でのFITやビジネス需要の維持・拡大をはかる。また、需要が落ち込んでいるパッケージツアーや団体については、「消費者の満足の高い団体旅行を復活させたい」とし、旅行会社各社に高品質なツアーの造成を呼びかけるとともに、テーマ性の高いツアーの造成にも注力していく。東京中国文化センターを活用し、書道や芸術を通じた文化交流イベントや文化観光ウィーク、講演などをおこなうことで「(旅をしようという)雰囲気作りに役立てたい」考えだ。

 中国では2013年10月に中国の旅行会社の経営や安全監督管理、サービスなどに関する法律として中華人民共和国旅游法(旅游法)が施行された。旅游法では「コストにより低い価格で観光旅行者を誘致、取りまとめ、受け入れしてはいけない」としており、観光客に買い物場所を指定し強制、半強制的に買い物させることを禁止。無資格の添乗員やガイドも禁じている。張氏は「1万9800円で8日間ガイド付き、といったような市場原理に反する、市場破壊の行為を法律で押さえなければ」としており、旅游法の成果に期待を示した。

 また、新年会では昨年11月末に上海で実施した、中国旅行懇話会と上海旅游局、上海の旅行会社5社との交流会の写真を公開。代表幹事のANAセールス旅行商品事業本部海外旅行商品部中国・アジア課課長の山田浩之氏は、国交問題が長引く中「(上海の旅行関係者と)現状が認識できたのは大きな成果」と振り返った。PM2.5の大気汚染問題や日中間の国交問題などで中国への日本人訪問者数はレジャーを中心に伸び悩んでいるが、山田氏は中国側からは日本人訪問者数をの回復に対する期待は大きいとし、旅行会社としても中国ツアーを継続して顧客に提案し続けることが重要と話した。

 意見交換では、上海のガイドが利益率の高い中国人の海外旅行添乗などの仕事に移っており、日本人観光客用の質の高いガイドの確保が難しくなっている現状などが話されたという。代表幹事の日中平和観光業務部部長の山中広氏は質の良いガイドの確保にはコストがかかると説明。リピーター造成のためには、安売りツアーと旅行代金は高いが高品質なツアーの差別化をはかり、消費者に質の高さをしっかりと説明していく必要性があると語った。