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年頭所感(1)-海外旅行50周年に期待、訪日取り組み強化

  • 2014年1月9日

 大手旅行会社や航空会社の経営トップが年頭所感、年頭の挨拶を発表した。2013年は富士山の世界文化遺産登録や日本食の無形文化遺産登録、訪日外客1000万人達成、2020年の東京五輪決定など、訪日旅行にとって追い風となる出来事が続いた一方、海外旅行は円安や中国、韓国との外交問題などの影響もあり、11月までの出国者数は6.3%減の1598万人と減少した。

 しかし、こうした状況の中でも、各社トップは2014年が海外渡航自由化50周年の節目の年であることから海外旅行の増加に期待。また、訪日旅行への取り組み強化やグローバル化への対応、消費者のニーズが多様化する中、旅行会社の役割の重要性を再認識する必要性についても話された。

※旅行会社の順序は観光庁による2013年度上期主要旅行会社57社の海外旅行取扱額順


▽日本旅行業協会(JATA)
会長 菊間潤吾氏

JATA会長 菊間潤吾氏
  2014年4月1日には、1964年の海外渡航自由化から50周年を迎える。日本人の海外旅行に旅行会社が果たしてきた役割に改めて注目し、未来に向け、日本が観光先進国としてアジアにおける観光をリードし、日本の観光産業がアジアの成長を取り込めるよう、ツーウェイツーリズムを促進し、産業としての競争力をさらに高めていく。

 昨今はWEB上の取引が大きく拡大しており、旅行業においても諸外国との厳しい競争にさらされている。グローバル化推進のため、安心安全の旅の提供を基本に、消費者との関係を見つめなおし、日本の旅行業を規定している旅行業法や約款を見直すための準備を進めている。

 一方、法的な規制のない訪日旅行の取り扱いについては、ツアーオペレーターに対する品質認証制度を昨年発足。今年度は日本ブランドの確立のためさらなる充実をはかり、訪日外客2000万人時代に向けて、旅行会社の取扱拡大に向けた取り組みを強化していく。

 また、WEBは、消費者による情報入手を容易にした。旅行会社にはより高いプロフェッショナルとしてのスキルが求められている。セミナーや講習などに加えてWEB研修のシステムを導入することで、いつでもどこでも最新、最先端の情報が入手できるようにする。会社の規模の大小を問わず競争できる環境を整えて旅行業界全体を活性化していきたい。インターンシップ事業や合同就職説明会などを通じ、優秀な人材の獲得にも努めていく。


▽ジェイティービー(JTB)
代表取締役社長 田川博己氏

JTB代表取締役社長 田川博己氏  2013年、JTBグループは「2020年ビジョン」の具現化へ向け新たなスタートを切った。当社は主なマーケットを日本を含めたアジア(グローバル)と位置づけ、アジア市場における圧倒的NO.1ポジションを確立し、取扱高2兆円をめざす目標のもと、経営構造改革、営業推進などを進めてきた。その結果、13年の業績は、堅調な個人消費などにも支えられ順調に推移した。

 2014年は週末の3連休が昨年より減少し、4月からの消費増税などの不安定要素もある。しかし観光業界の「コト消費」においては、一時的な停滞があっても、昨年からの経済環境が継続され、夏の臨時手当等の支給額増などが見込めれば夏前から堅調に伸びていくと考えられる。

 加えてLCCの国内外路線拡大、65歳以上の完全退職者の更なる増加などで、国内・海外旅行に対する前向きな消費意欲は継続すると思われる。また、注目すべき節目として海外渡航自由化50周年があり、業界を挙げた海外旅行の更なる需要喚起が見込まれる。

 東海道新幹線の開業50周年、四国霊場開創1200年など需要喚起案件は多々ある。もちろん楽観はできないが、これらの状況から年間の見通しで国内、海外、訪日旅行ともに2013年を上回ると考えている。

 当社では、国内事業の進化とグローバル事業の成長を更に推進する。キーワードはいずれもDMC(デスティネーション・マネージメント・カンパニー)だが、国内事業ではJTB国内旅行企画を設立し、国内・訪日旅行の仕入・商品企画・商品造成をおこなうなど、市場拡大をはかる。また、グローバル事業でもこれまで以上に人財を含めた投資を促進し、事業拡大をはかっていく。

 JTBグループではブランドスローガン「感動のそばに、いつも。」(Perfect moments, always)のとおり、お客様と接するわずか一瞬一秒の瞬間を大切にし、その実践のために努力を続けていく。

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