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アクセスランキング、1位はスクート、ハワイの事前入国が2位

[総評] 今週は、スクート(TZ)の日本市場における戦略をお伝えした記事が1位になりました。TZはすでに認知も深まってきている通り、シンガポール航空(SQ)が設立した中長距離路線を専門とするLCCで、10月末でちょうど日本への就航も1周年を迎えました。

 戦略そのものは記事でご紹介しておりますが、興味深いのはSQとTZとの関係です。FSCとLCC、SQは短距離路線も運航するなど違いはありますが、事業の本質は飛行機による移動の提供という点で同一ですし、いわゆるカニバリゼーション、共食いを避けるための棲み分けは不可欠です。

 現時点で、TZが成田/シンガポール間を台北経由としているのも、少なからず棲み分けの意図があるはずで、もし直行便に変更されるとすればそれぞれに勝算があると認められた場合でしょう。

 また、例えばコーポレートカラーはSQが深みのある青であるのに対して、TZのそれは青の補色(正反対の色)である黄色ですし、ブランドイメージの打ち出し方などもTZは非常に軽快な印象を与えるなど、逐一対比させようという意図を感じます。

 日本のFSCは若者向けのキャンペーン展開にも積極的ですが、またSQが若年層をターゲットにしていないというわけでもないでしょうが、少なくとも日本市場においては、ブランディングの考え方が異なっていそうです。

 もちろん現時点でFSCによるLCC運営の定石が確立されているわけではありませんから、どちらが良いという話ではありません。LCCが若者以外を取り込んではならないということもなく、事実ピーチ・アビエーション(MM)などではシニア層の利用も活発と聞きます。コーポレートカラーにしても、カンタス航空(QF)とジェットスター航空(JQ)の色相が近いことは周知の通りです。

 ただ、長期的に考えれば、これから定石のようなものができあがっていく可能性はあります。現存する世界最古の航空会社というKLMオランダ航空(KL)ですら1919年の設立ですからようやく100周年を迎えるところですし、コンピューターによる予約管理も始まってから50年程度しか経っていないわけですから、LCCに限らず現在の状況が今後も変わらずに続いていくと考える方が不自然であると思われます。

 なお、環境の変化という意味では、今週は2位に入った記事でハワイの「プレクリアランス」の見通しについてお伝えしています。プレクリアランスは、簡単にいってしまえば日本発の飛行機に乗る前に米国への入国審査をしてしまおうというもので、本当に開始されれば到着してから長い列に並ぶ必要もなく、利便性は大きく向上するでしょう。

 実際には今後5年から7年程度は必要とのことですし、国家間の条約が締結されなければならないなど短く平坦な道のりではありませんが、日本ハワイ観光協議会(JHTC)では実現に向けて日本の旅行業界としてもできることをしようという方針が確認されています。

 「できること」の具体例は示されていませんが、現場レベルで考えればまずは送客でしょう。ハワイから見た日本市場はこれほど大きい、プレクリアランスが実現すればさらにこれだけ需要が見込める、というメッセージを強く打ち出すことで、旅行業界自ら変化を推し進めていきたいものです。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2013年11月第5週:11月24日0時~11月29日17時)
第1位
スクート、旅行会社重視を強調-日本路線強化へ(13/11/26)

第2位
ハワイ、事前入国に期待-200万人に向け課題の洗い出しも(13/11/25)

第3位
日本航空、成田/ニューヨーク線増便へ、3月から(13/11/28)

第4位
シンガポール航空、羽田昼にも就航、東京1日5便に(13/11/28)

第5位
日本航空、一部のB787路線で機材変更、飛行規程改定で(13/11/25)

第6位
エミレーツ、B777とA380を200機発注、民間航空史上で過去最大(13/11/24)

第7位
2013秋闘:KNT-CTグループ会社4社、読売旅行、日中平和観光(13/11/26)

第8位
JATA、空港施設使用料の値上げに対し経過措置など要望、航空局に(13/11/27)

第9位
フォトニュース:日本航空、冬の機内食と新シート搭載機(13/11/28)

第10位
総合旅行業務取扱管理者、13年度合格者は2781名-合格率25.7%(13/11/24)