中部、中間決算は営業利益24.8%増-4期連続黒字に
中部国際空港によると、2013年度9月中間期(2013年4月1日~9月30日)の連結業績で、売上高は前年比5.8%増の230億2000万円だった。営業費用は3.3%増の198億8000万円で、前年から6億3000万円増加。商業事業の好調な売上に伴う仕入などの費用の増加が約5億円と多数を占めた。このほか、施設修繕費や警備費用の増加などはあったが、グループ全体でコスト増の抑制に努めたこともあり、営業利益は24.8%増の31億3000万円、経常利益は53.3%増の23億円、中間純利益は79.3%増の20億1000万円の増収増益で、中間期としては4期連続で黒字となった。
売上高のうち空港事業は2.8%増の127億8000万円。国際線は1億4000万円の減収、国内線は4億2000万円の増収、その他は5000万円の増収となった。国際線は、旅客数が東南アジアを中心に多方面で前年を上回ったが、中国、韓国路線が伸び悩んだことから4.0%減の225万3000人と減少した。
一方、国内線は既存路線が堅調だったことに加え、日系LCCの新規就航、増便などが奏功し、15.9%増の277万9000人と増加した。同社代表取締役社長の川上博氏は「今までの航空ネットワークの維持・拡充及び需要拡大に向けた地道な取り組みの成果が出てきた」とコメントした。
航空機発着回数は、国際線はタイ国際航空(TG)のバンコク線やベトナム航空(VN)のハノイ線増便などがあり、1.4%増の1万6100回と増加。地域一体でのエアポートセールスなどの成果が出たとの考えだ。国内線は日系LCCの就航により14.4%増の3万100回と2桁増加。2008年のピークに並ぶ水準まで回復したという。
このほか、商業事業は2012年度の商業施設の大規模改装の効果や景気回復、円安などで免税店売上が好調に推移。物販や飲食も集客イベントの積極的な開催などで増加し、10.6%増の89億4000万円となった。交通アクセス施設事業も4.2%増の12億9000万円となった。
2014年3月期の連結予想では、予想の前提条件としている航空旅客数について、当初予想より20万人減の980万人と下方修正した。国際線が30万人減の450万人、国内線が10万人増の530万人となる見通しだ。
中部によると、国際線は全旅客数の4割を占める中国、韓国線で、主力である日本人のアウトバウンド需要の戻りが遅く、下期も動きが鈍いままであるという予想から見直しを実施。国内線はLCCを契機に需要が増加しており、エアアジア・ジャパン(JW)運休後も前年を上回り続けているため、増加する見込みだ。
ただし、連結業績については当初業績のまま据え置く。国際線旅客数の減少に伴い売上や利益の減少は見込まれるが、好調な国内線や、商業事業でカバーしていく考え。下期は中国、韓国需要の早期回復を継続課題と位置づけるとともに、地域一体でのエアポートセールスの実施、昇龍道を核としたインバウンド旅客誘致の取り組みを確実に進めていきたいとしている。