羽田枠の傾斜配分「是正」なし、国交省が日本航空に回答
国土交通省航空局は11月5日、日本航空(JL)に対して、JLが10月4日に提出した「是正等申入書 兼 行政文書開示請求書」への回答を文書で示した。航空局は10月2日に、JLの再建過程で全日空(NH)との体力差が生じているとして、2014年春から利用可能となる羽田空港の昼間時間帯での国際線発着枠について、NHに11枠、JLに5枠を配分。JLはこの傾斜配分の是正を求めていたが、航空局は今回の文書で要望を退けた。
航空局の文書は、10月2日の配分決定時に開催された記者向けの説明会の内容とほぼ同一。JL再建時の公的支援は公共交通機関として重要な役割を担っているからこそ実施したものだが、それによって「不適切な歪みが生じつつある」ことから、「複数の航空会社の間に健全な競争環境が確保されることが極めて重要であるとの観点」に立って傾斜配分をしたとしている。
また、JLは「利便性の高いサービスを安定的に供給し国民生活と経済産業活動を支える我が国の航空ネットワークの維持・発展に貢献する企業として確実な再生を果たすことが必要」であるとも指摘。
さらに、「日本航空におかれては、これまで多くの関係者の理解と協力の下に再生が進められてきたという経緯等を改めて認識するとともに、複数の航空会社が適切な競争基盤に立ち健全な競争を行うことを確保することが一貫した航空行政の基本的考え方であることを理解いただきたい」と要望。
そして、「日本航空が社会的責務を有する良識ある企業として『日本航空の企業再生への対応について』(リンク)の趣旨にそって、引き続き今後の事業活動を進めていくことを強く期待するものである」と求めている。