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手配旅行の規制緩和へ、旅行区分の見直しも-第2回旅行産業研究会

  • 2013年10月30日

 観光庁は10月30日、第2回旅行産業研究会を開催した。今回は「インターネット取引の普及や海外オンライントラベルエージェント(OTA)との競争を踏まえた旅行業制度のあり方について」をテーマに実施。観光庁観光産業課長の石原大氏によると、OTAと競争する上での法制度の見直しが議論の中心となったという。

 研究会では、日本旅行業協会(JATA)がプレゼンテーションを実施。自由に値付けができるOTAに対し、日本の旅行会社は旅行業で手配旅行の区分で縛られており、自由に値付けができず手数料で利益を得るしかない点を課題としてあげた。さらに、OTAは標準旅行業約款による取消料規定の対象外であるため、約款についても見直すべきではとの提案がなされた。

 これを受けて、参加者からは消費者保護の観点は必要としながらも、OTAと公平な環境で競争するため、手配旅行の規制緩和を求める意見が多く出された。例えば手配旅行では自由に値付けができないため、ホテル単品の予約を企画旅行でおこなうことがある。この場合、企画旅行として扱うため旅程保証や特別保証が義務付けられるが「パッケージに当てはまる概念であり、素材単品で保証をかけるのは状況に適していない」(石原氏)。こうした現実とそぐわない事態も発生しており、法制度を見直すべきだという意見があがった。

 一方、消費者側からは、消費者は企画旅行と手配旅行の区別をせずに申し込む場合が多い点も指摘されたという。石原氏は手配旅行の値付けが自由になるとすれば「受注型企画旅行、募集型企画旅行、手配旅行の3種類がある状態は消費者にとってわかりやすいか、意味があるのかということを含め、もう一度整理し、議論する必要がある」との考えを示した。

 また、インターネットを利用した旅行取引の際、取消料の規定や予約を変更する場合の連絡先などのわかりやすい案内や、消費者に対するサポート体制の充実を求める意見もあった。特にスマートフォンの普及により、インターネット取引に慣れていない消費者が気軽に予約をしてしまい、トラブルになるケースもあるといい、消費者側からはユーザー側に問題もあるが、旅行会社側にもわかりやすい表記をしてほしいとの要望が出された。

 さらに、インターネット経由の旅行取引に関して、国としてルールやガイドラインを制定するべきではとの声もあがった。すでにJATAと全国旅行業協会(ANTA)が2008年、ガイドラインを作成したほか、特定商取引法で一部ルールが制定されているが、旅行に特化したものはまだ無いため、制定を求める意見も出されたという。

 観光庁では今回の研究会の内容を取りまとめ、論点を整理したうえで11月中旬に第3回会合を開催する予定。次回は手配旅行に関する法制度を中心に議論をおこなう予定だ。