香港政観、集客強化へ-堀新局長、12月までに戦略策定
香港政府観光局(HKTB)日本局長に今月1日付けで就任した堀和典氏は10月29日、香港ツアーオペレーター協議会(HKTC)の定例会で挨拶し、実際の集客に結びつく活動を強化していく方針を打ち出した。香港への日本人訪問者数は尖閣問題などの影響で昨年9月以降減少が続き、2013年9月までの1年間では約2割減の103万4693人。2013年通年でも100万人程度となる見込みで、堀氏の方針は2012年の125万4602人の水準に早期に回復し、さらに成長をめざすためのものだ。
堀氏は、2割近い減少幅について、韓国や中国など短距離の競合デスティネーションと比較すれば健闘していると分析。今後は回復をめざし、HKTBの活動として認知向上や需要喚起だけでなく集客、つまり実際の販売に焦点を当てていくべきとの考えだ。
具体的な戦略は、12月に本局に説明するタイミングまでに決定することになるが、すでに香港をデスティネーションとして認知し、意向もある消費者に対して「もうひと押し、背中を押してあげる」ことをめざす。
ターゲットも未定だが、20代、30代といった年齢層ではなく、子供の有無、可処分所得などで分類していきたい考え。年齢層については、大まかに分けて若年層に加えシニア・熟年層の取り込みを強化したいといい、そのためにマカオや中国本土を含めて「点ではなく面」のアプローチも進める。このほか、修学旅行やMICEも従来通り取り組んでいく。
手段としては、ソーシャルメディアなどを通じた「共感」の広がりによるメッセージの伝達を重視。例えばFacebookページについた「いいね!」の数は現在1万1000件超だが、これも大きく増やしていきたいとした。