国交副大臣、観光重視の姿勢-航空は地方空港活性化へ
このほど国土交通副大臣に就任した、高木毅氏と野上浩太郎の会見が10月9日に開催された。観光分野などを担当する高木氏は「(観光は)非常に大きな可能性を秘めている」とし、「担務の一つだが、とりわけ力を入れてやっていきたい」と意欲を示した。
日本政府観光局(JNTO)によると、8月までの累計訪日外客数は前年比21.4%増の686万4400人。高木氏は「直近の課題として、なんとか10月から12月に多くの外国人に来ていただき、(訪日)1000万人を達成できないか」頑張りたいとした。
また、2020年の開催が決まった東京オリンピック・パラリンピックについても言及。「(オリンピックの際は)東京のみならず、せめてもう1ヶ所、2ヶ所、安い値段で(旅行に)行っていただけるような方策やキャンペーンもやっていきたい」考えで、旅行会社や交通関係各社などに協力を求めていく方針だ。
一方、海外旅行市場については、ツーウェイツーリズムの重要性は認めつつ、「アウトとインはアンバランスな状況と認識している」とコメント。まずはインバウンドに注力していく姿勢を示した。
▽航空行政は地方空港の活性化
また、航空分野などを担当する野上氏は、7月の国会で成立した「民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律施行規則(民活空港運営法)」に触れ、地域空港の活性化に力を入れていきたい考えを示した。同氏は自身の地元である富山の伏木富山空港を例にあげ、「地域空港のネットワーク維持は国のとっても重要な視点」と強調。今まで着陸料の引き下げや、資産税の低減措置、燃料税の軽減などに取り組んできたとし、今後も地方自治体の取り組みに国土交通省が関与し、連携してやっていくことが重要とした。
また、野上氏は注目が集まった羽田の昼間時間帯の国際線発着枠についても言及。今回の配分は、日本航空(JL)と全日空(NH)に「体力差があるのを意識している」とし、「何よりも適切に航空会社の競争基盤の確立を、との視点で実施した」と説明した。
枠の配分については、JLが国土交通省に対し、10月4日付で配分の是正や、今回の結果に至った理由や経緯の説明、関連する行政文書の開示などを求める請求書を提出。均等配分こそが国民の利益を最大化するという考えを打ち出していたが、野上氏は「利用者の利便性の増加につながることが大切であり、そういう観点で配分している」と話した。
なお、JLに対しては国土交通大臣の太田昭宏氏が10月8日の定例会見で「申し入れに対しては配分の考え方を丁寧に説明するなど、適切に対応してまいりたい」とコメント。資料の開示についても「情報公開法に則り適切に対応」していきたい考えを示している。