オンタリオ、ナイアガラ滝以外の素材のアピール強化

  • 2013年10月8日

アジア・パシフィック地区担当マーケティング・マネージャーのハービー浜崎氏、プレジデント&CEOのロナルド・ホルガーソン氏、マーケティング担当副社長のリサ・ラベッチア氏 オンタリオ州政府観光局からプレジデント&CEOのロナルド・ホルガーソン氏とマーケティング担当副社長のリサ・ラベッチア氏がこのほど来日し、業界誌らに日本市場の現況と今後のマーケティング戦略を説明した。

 ホルガーソン氏は2012年の日本市場について、日本人旅行者数は前年比11.5%増の9万2500人になり、カナダ全体に占める割合も37%から40%に上昇したと説明。今年は「前年同様の増加率を達成するとともに、40%の割合も維持していきたい」と話した。今後のマーケティングの方向性については、「日本人が何を体験したいのかを注意深く見ながら、セグメントごとにアプローチしていく必要がある」と話し、よりきめ細かいマーケティングで日本人の誘客をはかる方針を示した。

 一方、「日本市場ではまだ知られていないオンタリオの魅力は多い」という認識のもと、例えば冬のアクティビティやイベントなど、ナイアガラの滝以外の観光素材を積極的に紹介していく考えだ。そのひとつとして、2014年6月にトロントで開催されるゲイ・レズビアンのイベント「ワールド・プライド2014」を紹介。性だけでなく幅広い意味で差別をなくすイベントとして認知されていることから、ファミリーにも受け入れられると付け加えた。

 このほか、アウトドア体験に加えて、シティ体験のプロモーションも強化する。そのなかでも主要都市での食ツアーを提案。「特に多国籍都市であるトロントには多様な食文化が揃っている」とアピールした。観光局では、トロントとナイアガラのグルメマップを作成。今後、食をテーマにした素材の訴求力を高めていきたい考えだ。

 現在、トロントは2015年に開催される「バンナム・ゲームズ」に向けて都市開発が進行中。新たにシャングリラ、トランプ、フォーシーズンズ、リッツカールトンがオープンしたほか、トロントのランドマークとなるフェアモント・ロイヤル・ヨークもリノベーションが進んでいる。ホルガーソン氏は「現在のホテル稼働率は約70%。大規模なイベントが開催されても部屋数には余裕がある」と話した。

 このほか、ホルガーソン氏は、先日の航空当局間協議で、羽田の昼間時間帯の就航が可能になったことについても言及。羽田便の開設を「非常に楽しみにしている」と話し、日本とカナダとを結ぶ路線が太くなることに大きな期待を寄せた。