羽田発着枠、記者レク詳報【1】

  • 2013年10月3日

 10月2日、国土交通省航空局は来年の夏スケジュールで利用可能となる羽田空港の昼間時間帯発着枠について、全日空(NH)に11枠、日本航空(JL)に5枠を配分した。同日開催した記者レク(メディア向けの説明会)で説明に当たった航空局航空ネットワーク部航空事業課長の平岡成哲氏によると、傾斜配分はJLへの公的支援で歪んだ競争環境を是正するための措置だ。

 配分そのものへの意見は様々あり、どちらが正しいと単純に判断すべきものではないが、羽田空港の発着枠はいうまでもなく旅行業界にとって非常に重要な意味を持つ。特に国際線の発着枠は一度配分されれば恒久的に使用できることから、今後の旅行業界、あるいは市場全体を左右するものといえるだろう。

 羽田空港の発着枠関連では、国内線は昨年に国交省が「羽田発着枠配分基準検討小委員会」を立ち上げ、有識者を招いた議論を経て決定。しかし、国際線は諸外国との関係や、航空会社にとって就航希望地は経営上の機密事項であるといった理由から、羽田路線に限らず航空局内で判断されている。

 今回の決定に関係する議論の公表は予定されておらず、報道以外ではその断片を窺い知ることも難しいはず。そこで、本誌としても記事はすでに掲載したものの、今回の配分がどのように決定されたのか、次の同様の機会にどのような判断が下る可能性があるのかを理解、予想する一助となるよう、記者レクの内容をできるかぎり正確に書き起こした。全体で1万5000文字を超える長文だが、今後のための資料として掲載する。