若手社員が語る業界の魅力、学生向けJATA業界研究セミナー

  • 2013年9月24日
会場の様子

日本旅行業協会(JATA)は9月13日、JATA旅博2013の国際観光フォーラムで学生を対象に業界研究セミナー「業界概論と若手社員が語る業界魅力パネルディスカッション」を開催した。優秀な人材確保の取り組みの一環で、旅行業界の現状を説明するとともに、若手社員たちの言葉を通して旅行会社で働くことの実態を伝えた。セミナーの性格上、旅行業界関係者にとってはほぼ当然の内容だが、視点を逆にすれば採用や教育に役立てることも可能だろう。

業界概論、「サービス業」としての質向上が課題
学生のイメージとギャップも

 セミナーの構成は、旅行業界の現状解説とパネルディスカッション。前半部の現状の説明は日本旅行広報室長の矢嶋敏朗氏がおこなった。主なポイントは、旅行会社はただ旅を手配するだけでなく多様なサービスを提供するサービス業であること、オンライン流通などインターネットの浸透でそのサービス業としての存在意義を問われ、サービス品質の維持と向上が求められていることなど。

日本旅行の矢嶋氏

 特に、観光庁が主体となった観光産業政策検討会から今年提出された提言で、「日本の旅行会社を世界最高水準のサービス業に」「(そのための)人材育成を」といった目標が明確に掲げられており、さらにオリンピックを境として観光が日本の基幹産業となることが期待され、旅行業界への期待値も非常に高いといえるとした。

 一方、旅行会社への就職を希望する学生については、「ホテルスタッフや航空会社のキャビンアテンダントなどの仕事と似ていると考えられがち」であり、華やかな業界というイメージを抱いている点が現実とのギャップになりかねないと指摘。そうした一面もあるが、流通型の旅行会社も増えている昨今ではイメージ通りの業務に就けないことも多いと釘をさした。

 次ページ以降では、このギャップを含めて若手社員が語る旅行業界の魅力を伝える。