アクセスランキング、1位はツアーグランプリ、応募増に期待も

[総評] 今週は、JATA旅博2013で発表されたツアーグランプリの記事が1位になりました。毎年おこなわれているものながら、国土交通大臣、観光庁長官の名が並ぶなど、レジャー分野の旅行業では注目の集まるイベントであると感じます。数が売れた商品と、数は出ずとも別の意義のある商品など、何を評価するかによって見方が変わりそうですが、受賞された皆様の励みになることは間違いないでしょう。

 今年は、ツアーグランプリ2013実行委員会委員長の古木康太郎氏が「かなりの力作」と表現されたツアーが集まったとのことで、例えば記事で触れた阪急交通社の北米ツアーやANAセールスの「ANAワンダーアース」も、なかなか個人では実現しにくい、旅行会社ならではの旅であると感じます。

 ただ、気になったのは今年の応募件数が全体で107件、海外旅行は78件であったことで、前年からそれぞれ43件と28件の減少しています。海外旅行については、募集型企画旅行を認められた第1種旅行会社が日本旅行業協会(JATA)によれば2012年4月時点で700社超あるわけで、この2割の会社が1件ずつ応募しても今年の倍近い件数となります。実際には受注型企画旅行も対象ということですし、せっかくの賞ですからもっと増えてほしいものです。

 逆に、JATAなど審査委員会側も、応募件数の増加を望むのであれば応募したいと思わせる仕組みづくりが求められます。グランプリの受賞がどの程度その後の販売実績に結びついているか分かりませんが、世間一般での認知度はさほど高くないでしょう。

 例えば「カー・オブ・ザ・イヤー」は、車に興味がないとしても報道などで見聞きしたことはあるという人が多いはずです。それに匹敵する存在となれるかは分かりませんが、受賞がはっきりとその商品や自社の認知度あるいは業績の向上に貢献すると分かれば、応募する側のモチベーションも上がるのではないかと思われます。

 一つ期待できるのは、旅博自体が成長してきていることです。来場者、出展コマ数は毎年増加し、来場者は今年ついに13万人を超えました。いわゆる主催者発表ですから確認は取れませんが、観光そのものへの社会的な注目も高くなっており、実際に会場内の雰囲気も熱気を感じるものでした。

 旅博の成長や観光の成熟にともなって、旅行会社の製品であるツアーへの理解も深まる、そういった流れが起きる可能性はあるでしょう。もちろんその際には、JATA会長の菊間潤吾氏も指摘しておられましたが、旅行会社側も製品開発に投資をし、販売にもヒト・モノ・カネをかけていく覚悟が求められます。

 こうしたことを考えていると、JATAがめざす旅行業の社会的地位の向上に思いが至ります。社会的地位の定義にもよるものの、突き詰めれば認めてもらうこと、認知されることに尽きるのではないでしょうか。

 その意味では、冒頭で「レジャー分野の旅行業では」と書きましたが、レジャー以外の団体旅行やBTMなどにも同じような評価の仕組みがあっても良いのではないかと思われます。

 今週は旅博関連でツーリズム大賞、ツアーコンダクター・オブ・ザ・イヤー、マレーシア・ツアー・コンテストと複数の記事を掲載しており、あまり乱立すると混乱を招く恐れがありそうですが、例えば業界外の認知向上を進めるのはこれとこれ、というように戦略的な位置づけをしていくのも良いかもしれません。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2013年9月第3週:9月13日0時~9月20日17時)
第1位
ツアーグランプリ、国交相賞は阪急交通社-観光庁長官賞、海外はANAセ(13/09/16)
 ◆写真で見る「旅博」、来場者13万人超、需要好転に期待(13/09/17)
 ◆地域、空港、航空、旅行会社「四位一体」で地域活性を-JATA旅博(13/09/19)
 ◆JATAツーリズム大賞、最優秀賞に「めざましどようび」(13/09/16)
 ◆最優秀添乗員はJTBサポート中部の林氏-ツアコン・オブ・ザ・イヤー(13/09/19)
 ◆JATA旅博開幕、過去最多の1353コマ-相互交流強化、五輪に期待も(13/09/13)
 ◆アジアの観光成長、政府の後押し重要-環境保護など義務も(13/09/16)
 ◆マレーシア・ツアーコンテスト最優秀賞はHIS-観光年2014に期待(13/09/18)
 ◆旅博、来場者は13.1万人で過去最高、前夜祭も約1000人(13/09/19)
※旅博関連の記事をまとめて表示しています

第2位
JAL、日本発は羽田メイン、成田は際際ハブに-発着枠は公平配分を(13/09/18)

第3位
成田、2タミのサテライトに連絡通路、シャトルは廃止へ(13/09/17)

第4位
スクート、14年中に関空就航めざす、B787活用で(13/09/19)

第5位
フィリピン、羽田1日4便可能、昼間枠も-オープンスカイ合意(13/09/18)

第6位
エジプト航空、成田線運休継続-14年3月29日まで(13/09/17)

第7位
主要57社、7月の海外旅行は3.9%減、国内好調(13/09/17)

第8位
アメリカン航空、代理店営業部長に佐藤友一氏(13/09/17)

第9位
ミャンマーのエアバガン、日本に販売代理店、17日に業務開始(13/09/16)

第10位
デルタ航空、太平洋路線のビジネスクラス機内食刷新(13/09/17)