フィリピンと航空協議、オープンスカイ視野に
日本とフィリピンの航空当局間協議が9月11日から13日にかけて、東京で開催される。国土交通省航空局(CAB)航空交渉室によると、輸送力拡大について、オープンスカイを視野に入れて協議する予定だ。羽田の発着枠については、話題に挙がれば交渉する可能性があるとした。
フィリピンと日本は2008年11月末に航空当局間協議を実施し、乗り入れ地点の自由化に合意。輸送力の自由化についてはフィリピン側が時期尚早として段階的な増加を主張。その後、フィリピンが2009年に国際民間航空機関(ICAO)から「重要な安全性の懸念(SSC)」があると認定され、欧州への乗り入れと米国や日本への路線拡充が制限されてきた。
しかし、今年の3月にICAOがSSCの認定を解除し、7月には欧州委員会(EC)がフィリピン航空(PR)の運航再開を許可。CABはフィリピン現地で調査を実施しており「安全性の確認がとれた」との認識だ。今回の航空交渉で路線拡充の制限を解除し、輸送力拡大をめざす。また、7月に安倍晋三首相が約6年ぶりにフィリピンを公式訪問した際、ベニグノ・アキノ3世大統領と会談し、航空関係の強化について協力することで一致したことや、両国間の需要の拡大も今回の交渉に至った要因とした。
なお、2013年夏期スケジュール現在、日本/フィリピン間は、日本航空(JL)と全日空(NH)が成田/マニラ線をそれぞれ週14便と週7便、フィリピン航空(PR)が成田/セブ線、関空・中部/マニラ線を各週7便、成田/セブ線と福岡/マニラ線を週5便、セブ・パシフィック航空(5J)が関空/マニラ線を週3便運航している。また、第3国企業であるジェットスター・アジア(3K)を含めた旅客数は、2009年は122万1000人だったが、2012年は135万9000人まで増加している。