現地レポート:グアム、グループの受入強化、20年に日本人120万人へ
グループ旅行の取組強化、受入能力増強へ
2020年に日本人旅行者数120万人、新コンベンション施設に期待
来春の大型コンベンション施設開業に期待
グアムでは、現在はシェラトン・ラグーナ・グアム・リゾートやハイアット・リージェンシー・グアムのバンケットが屋内施設としてグアム最大級の収容力を持つが、いずれも立食で1200名まで。それ以上の大型グループの受け入れには十分ではない。
しかし、グアムでは14年中頃をめどに、最大2000名収容のグアム・コンファレンス&コンベンション・センターを併設するデュシタニ・グアムが開業予定となっている。会議・展示施設の総面積が3300平方メートルに達するグアム・コンファレンス&コンベンション・センターと客室数417室のデュシタニ・グアムが開業すれば、3つのホテルを合わせて5500平方メートルの会議・展示施設と1400室以上の客室を提供できるようになる。
ただし、開業時期については延期が繰り返されている。現地情報を総合すると、国外から雇用する従業員のビザ取得が遅れているものとみられ、開業時期は確定していないようだ。
修学旅行やスポーツ合宿への対応も
グループ旅行の中でも急成長しているのが教育旅行。GVBによれば、日本からグアムへの教育旅行の実施件数は、10年度56校、11年度91校、12年度105校と右肩上がりで増えており、13年度も現時点で144校がグアムを訪れる予定だ。小学校からの英語必修化という追い風に加え、グアムは他デスティネーションに比較して燃油サーチャージが相対的に低いという強みがある。尖閣諸島や竹島の領土問題がクローズアップされると、中国や韓国を回避して海外修学旅行需要がグアムに集まる傾向もある。
また、GVBはスポーツ関連のグループ旅行の販売促進にも注力しており、秋開催のグアム・ココハーフマラソン&駅伝リレー、春開催のグアム・インターナショナル・マラソン、新春開催の自転車レース、ツアーオブグアム/グアムロングライドなどイベント関連のツアー造成を旅行会社に働きかけている。
各種競技の合宿や、プロスポーツのシーズン前キャンプなどの需要も可能性の大きな市場だ。レオパレスリゾート・グアムは国際基準に準拠した各種競技施設があるグアム唯一のリゾート。同リゾートの「パンパシフィック・スポーツ・センター」は、オリンピック仕様の50メートルプールがあり水泳日本代表もたびたび合宿している。このほか国際試合対応サイズのサッカーグラウンドや大リーグ公認サイズの野球場、リハビリ用ウォーキングプール、最新設備のスポーツジムが整い、各種競技のアスリートの利用が見込める。