ユナイテッドツアーズ、プリンセス・クルーズ販売、1000名目標に

  • 2013年8月29日

(右から)ユナイテッドツアーズ常務取締役営業本部長兼東京支店長の仙波専氏、東京支店企画旅行課課長の大久保大造氏 ユナイテッドツアーズはこのほど、プリンセス・クルーズのホールセール業務を開始した。2014年のクルーズを販売しており、同社常務取締役営業本部長兼東京支店長の仙波専氏は弊誌の取材に応え「初年度は、プリンセス・クルーズの(集客目標の)10万人のうち1%、1000名を目標としてやりたい」と意気込みを示した。

 仙波氏はプリンセス・クルーズのホールセールをおこなう理由として、プリンセス・クルーズが14年4月から10月の間、継続して42本のクルーズを実施するため、半年間安定して船室を確保できる点をあげた。また、プリンセス・クルーズの今年のクルーズをみると、ゴールデンウィークを除けば同船の乗客の62%が70歳以上だったと説明。ユナイテッドツアーズが今まで取り込めていなかった70歳以上のシニア層に対するアプローチが可能とした。

東京支店企画旅行課課長の大久保大造氏 また、東京支店企画旅行課課長の大久保大造氏は、プリンセス・クルーズやカーニバル・ジャパンが日本市場でメディア展開を強化しているため、今後認知度のさらなる向上が見込めることから、販売しやすいことを利点としてあげた。さらに、プリンセス・クルーズは消費者に直販はせず、旅行会社経由の販売となるため「ユナイテッドツアーズにも入り込める余地が十分ある」との考えだ。

 仙波氏によると、プリンセス・クルーズ以外のクルーズの取扱については、今のところ予定にはない。別のクルーズの販売をする場合は、ある程度の規模を定期的に供給でき、他の旅行会社が代理店などを担当していないものがあれば、慎重に検討していきたいとした。なお、クルーズのチャーターについては「そこまでのリスクは負えない」ことから、実施しない方針だ。

 ホールセールのターゲットは、ユナイテッドツアーズの取引先を中心に第2種、第3種旅行会社の取り込みをねらう。仙波氏は地方の趣味サークルなど、10名から15名程度の少人数の団体を各社で束ねて送客してもらいたいとした。クルーズ商品に加え、希望があれば別途手配旅行として、寄港地でのオプショナルコースもアレンジするほか、実際にプリンセス・クルーズに乗船したスタッフをクルーズ担当とし、旅行会社に対するサポートもおこなっていく。

常務取締役営業本部長兼東京支店長の仙波専氏 仙波氏は「KNT-CTホールディングス全体として、プリンセス・クルーズに対してプレゼンスを示していきたい」と意気込みを語った。近畿日本ツーリスト個人(KNT個人)はBtoC、ユナイテッドツアーズは旅行会社へのBtoBという形で棲み分けて販売をすすめていく考え。KNT個人では「SIT旅行企画センター」を中心にクルーズ商品を販売しており、プリンセス・クルーズの14年クルーズについてもパンフレットを作成、順次販売を開始している。

 さらに、仙波氏はインバウンドの取扱にも意欲を示す。プリンセス・クルーズのコースが日本国内を主にしていることから、インバウンドのリピーター向けの需要もあると指摘。将来的にはKNT-CTホールディングスの在外支店と協力し、素材の提供などをおこなっていきたいと述べた。