アクセスランキング、東武のトップツアー買収1位-DL羽田要求も

[総評] 今週は、東武鉄道がトップツアーの持ち株会社の全株式を取得することを決めた記事が1位になりました。突然のニュースで多くの方が驚かれたはずですが、もともと東急観光として東急電鉄グループ内に設立されたトップツアーが紆余曲折を経て東武鉄道の傘下に収まるという点は、さらに多くの興味を引いたのではないかと思われます。

 こうしたニュースを掲載するとその後からいろいろな噂や憶測が聞こえてくるものですが、その中で一番面白かったのは、「副都心線経由で東武東上線と東急東横線がつながったのが伏線だった」というものです。

 ご存じない方にご説明しますと、埼玉県の川越などと池袋を結ぶ東武東上線と東京メトロの副都心線は副都心線の開通時から直通運転をしていましたが、今年3月に渋谷から横浜を結ぶ東急東横線も副都心線とつながり、東上線と東横線の相互乗り入れも始まりました。

 先述の噂は、これが東武鉄道によるトップツアー子会社化の背景であるというもので、本当かどうか確認したわけではありませんが、なるほどそういう発想もあったかとつい思わされる話でした。

 嘘か真かわからない話はこれくらいにしておいて、本当に気になるのは東武トラベルとの関係など今後の展開です。とはいえ、今の時点では株の譲渡も済んでおらず、当面は現行の体制を維持する予定であるなど詳細は見えませんので、取材を続けて情報をお伝えしていきたいと考えています。

 さて、このほか今週掲載した記事で個人的に驚いたのは、6位に入ったデルタ航空(DL)のものです。最高経営責任者のリチャード・アンダーソン氏が来日して記者会見を開催し、すでに保有している発着枠2便分に加えて25便分を得られれば成田から羽田にハブを移したいという発表をされました。

 現時点で羽田の国際線発着枠は深夜早朝が40便、日中は約40便で、半分は日本の航空会社に割り振られますから、外国系航空会社の分は合計約40便と決まっています。DLとしては空港の運用を効率化すれば発着枠を増やせるという主張を前提としたようですが、それにしても40便のうち25便という数字は刺激的です。また、DLの規模でここまではっきりと成田から羽田への移行に意欲を打ち出したのも驚きでした。

 今回の主張が、膨大な数字を先に出して交渉時に少しでも多く得ようというだけの意図だったのかどうか分かりませんが、果たしてこれからの航空交渉がどうなるか見ものです。また、仮に羽田ハブ化への意欲が本物であった場合、直近の航空交渉だけでなく、中長期的な動きにも注目していく必要があるでしょう。

 ちなみに、これまでに成田線を運休して羽田に切り替えるという方針を示したのはおそらくヴァージン・アトランティック航空(VS)のみで、そう考えるとVSの株式の49%をDLが手に入れていることも、先述の東上線と東横線ではありませんが何やら因果めいたものを感じてしまいます。(松本)


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(2013年7月第5週、8月第1週:7月28日0時~8月2日18時)
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