デルタ、羽田で25枠希望、ハブ化検討-公平な配分求め
デルタ航空(DL)最高経営責任者のリチャード・アンダーソン氏は7月31日に開催した記者会見で、羽田空港の昼間時間帯の国際線発着枠に関し、公平な分配を求めるとともに、羽田のハブ化についても言及した。同氏は日米間の羽田昼間時間帯の国際線開設の合意を前提とした上、「(ハブ化に必要な)25枠のスロットを提供されれば、(成田から)羽田にハブ機能を移す準備もある」と意欲を示した。1978年の成田開港以前は羽田便を就航していたことから「是非ホームに帰りたい」考えだ。
アンダーソン氏によると、1日あたり25枠あれば、DLが現在成田で展開しているハブ機能を羽田に移せるとの考え。羽田をハブ化した場合、成田については路線については一部の路線を除き羽田に移管する計画だ。
羽田空港では2014年3月末時点で年間3万回、1日あたり約40便を昼間時間帯の国際線として使用できるようになり、このうち約20便が日系航空会社の枠となる見込み。アンダーソン氏は羽田は成田よりも東京の中心に近いとし、「我々が(立地の良い)羽田に戻れず、日本航空(JL)と全日空(NH)が羽田に残るのは不公平。(国は)2社に対し不当な優位性を与えている」と述べた。
同氏は「アメリカが日本の航空会社に対し、ジョン・F・ケネディ空港ではなくニューアークのみに就航できる、とすればどう思うか」と例を挙げて説明。「自由競争は歓迎だが、政府の介入は好まない」とし、羽田の国際競争力を高めるためにも、発着枠を公平に配分するべきと説いた。国土交通省や航空局に対し、公正な分配を訴えているといい、「低コストでアメリカ国内に強いネットワークがある航空会社が入るのは、日系2社の対抗勢力になり、消費者にとってもメリットなのでは」との考えを示した。