カナダ各州、日本市場の底上げに工夫、通年化など課題も-RVCレポート(1)

  • 2013年6月25日

夏の需要取り込みへ アクティビティをアピール

RVC2013にはカナダの現地法人を含め26人の日本人バイヤーが参加 オタワで5月に開催されたランデブーカナダ2013(RVC2013)で、トレード重視の姿勢を明確に打ち出したカナダ観光局(CTC)。各州観光局も日本市場の底上げをはかりさまざまな方針を打ち出しており、特に夏の需要の取り込みに積極的だ。RVC2013の会場で各州観光局やサプライヤーに話を聞いたが、日本市場に対する本気度が伝わってきた。


オンタリオ、紅葉人気で日本人増-新たな魅力を積極提案

オンタリオ州観光局日本事務所アカウント・マネージャーの田中恵美氏 RVC2013の会場となったオタワがあるオンタリオ州への2012年の日本人渡航者数は、前年比12%増の約8万2000人。オンタリオ州観光局日本事務所アカウント・マネージャーの田中恵美氏は「震災からの回復需要とともに根強い紅葉人気がある」と説明する。成田/トロントへの定期便に加え、地方からのチャーター便による送客も増えた。今年の秋もすでに日本航空(JL)がチャーター便の運航を計画していることから、渡航者数のさらなる上積みを期待しているという。

 また、通年でのオンタリオの訴求力を高めるために日本語ウェブサイト「オンタリオスタイル」を提供。特に「アウトドア・オンタリオ」と「おいしいオンタリオ」を軸に企業とのコラボレーションも視野に入れながら、プロモーションを展開していく。さらに、「食」では、旅行会社のセールツールのひとつとしてトロントのグルメマップを作成。今年夏以降にはあらたにナイアガラフォールズのマップも提供していく予定だ。

 アウトドアでは、春から秋にかけてのアルゴンキン州立公園でのハイキングやカヌー、オンタリオ州最大スキーリゾート、ブルーマウンテンでアクティビティも積極的に紹介していく方針。加えて、トロントで人気のヨガの露出も増やしていきたい考えだ。

トロント観光局日本・韓国地区マーケット・ディベロップメント・マネージャーの鈴木正城氏 ゲートウェイとなるトロントでは現在、2015年のパンアメリカン・ゲームズに向けて都市開発が進行中。新たに空港と市内を25分で結ぶレールウェイも整備予定だ。また、最近ではリッツ・カールトン、トランプタワー、シャングリラなど5ツ星ホテルも続々とオープンするなど、都市観光としての魅力もアップしている。

 トロント観光局日本・韓国地区マーケット・ディベロップメント・マネージャーの鈴木正城氏は「ゲートウェイでありながら、到着後すぐにナイアガラへ向かってしまい、トロントで一泊するツアーが少ない」と課題を挙げ、「今後は旅行会社と協力して、新しいトロントの歩き方を提案していきたい」と新たなチャレンジに意欲を示した。