オーストラリア50万人復活へ、TAと各州の動き-ATEレポート(2)
各州、地域性を生かし日本人誘客で様々な工夫
▽WA州は引き続きトレードに注力、VIC州は異業種とのコラボも視野に
2012年の西オーストラリア州(WA)への日本人訪問者数は3万人前後で推移した。2012年6月時点で前年比10%減。「2011年5月以降運休している成田/パース線のシェアが40%ほどだったことを考えれば、10%減は健闘している。経由便の商品化が進んだため、9月には5.6%減にまで回復した」と西オーストラリア州政府観光局日本局長の吉澤英樹氏は明かす。WAの経済成長にともないパースでは日本企業のオフィスが増加。コーポーレート需要が高まっていることから、直行便再開のほかコードシェア便の充実を関係航空会社に働きかけていく。
観光素材としては、好評のワイルドフラワーに加えて、キンバリー、バングルバングルなどでのソフト・アドベンチャーをアピール。また、修学旅行、語学研修、ファームステイなどの教育旅行の誘致にも引き続き力を入れていく。吉澤氏は「今後もトレードを中心にプロモーションを展開していく。地域の特性を考えながらアプローチをしていきたい」と意欲を示した。
人気都市メルボルンがあるビクトリア州(VIC)では、2102年の日本人渡航者数は前年比5.7%増の3万8400人となった。特にレジャー旅行客の増加が顕著で、同22.9%増の2万5400人。あわせて現地消費額も同61.1%増の1億600万豪ドルと好調だ。同州政府観光局では、ビクトリア州への日本人渡航者数は2021/22年度で4万5000人に増加すると見込む。ビジネス・ディベロップメント・マネージャー日本・韓国担当の高森健司氏は2013年度の戦略として、「ハナコ世代、熟年、FIT、スポーツなどのイベント、教育旅行をターゲットにし、メルボルンのシティ体験、自然、フード&ワインをメインにプロモーションを進める」と話す。加えて、AesopやCrumplerなどメルボルン発の異業種パートナーとのコラボレーションも進めていきたい考えだ。