カナダ、業界重視を鮮明に-オタワでトレードショー開幕
▽カナダへの外国人渡航者数減少、認知から実績への転換必要に
RVC2013ではメディア向けに最新市場動向の報告が開催された。カナダ旅行業協会(TIAC)CEOのデビッド・ゴールドスティン氏は、カナダへの海外からの渡航者数は2002年の約2000万人から2011年には1600万人に減少し、ランキングも世界7位から18位にまで落ちたことを説明。2011年度の観光予算も、他の主要国が増加させているなか、前年比10%減の7200万カナダドルに減少し、2013から2014年度も5800万カナダドルに削減される見通しを示すなど、カナダの旅行業界を取り巻く厳しい現実を報告した。
そのなかで、カナダ観光局(CTC)マーケティング戦略担当シニア・バイス・プレジデントのグレッグ・クラッセン氏は、「今後のマーケティング戦略として、旅行業界との関わりを深めていく」とCTCの戦略を説明したうえで、旅行商品購入者の76%がリテールを通じて購入しているデータを示し、「旅行業界の役割は非常に大きい」と強調した。
今後の課題としては、カナダの認知度を上げる取り組みから、それを実績に転換していく必要性を指摘。カナダの認知度は世界的に高いものの、購入の段階になると消費者の41%が他のデスティネーションを考えていると説明し、「販売段階でのコミュニケーションが消費者の決定に大きな影響力を持っている」との認識を示した。