カナダ、業界重視を鮮明に-オタワでトレードショー開幕
(オタワ発:特派 山田友樹)今年で37回目を迎えるカナダ最大のトラベルトレードショー「ランデブーカナダ2013(RVC2013)」が5月12日、カナダの首都オタワで開幕した。今回のRVC2013には22ヶ国から405人のバイヤーが参加。日本からはカナダの現地法人を含め26人の日本人バイヤーが参加した。
カナダ観光局(CTC)プレジデント&CEOのミッシェル・マッケンジー氏は、弊誌らとのインタビューのなかで日本市場の現状について言及し、「ボリュームはピーク時に比べれば落ちているものの、日本は常にハイエンドマーケット」と説明。そのうえで、「日本の潜在需要の目をカナダに向かせるため、旅行業界への関わりを深めていく」と話し、消費者へのダイレクトアプローチよりも旅行業界とのパートナーシップを重視していく方針を示した。
その方法のひとつとして、CTCではカナダ独自の体験プログラム「カナダディアン・シグニチャー・エクスピリアンス(CSE)」を推進していく。マッケンジー氏は「CSEのコンセプトは、カナダの新しいイメージをつくること。そうすることで、潜在需要の掘り起こしにつながり、また新しいデスティネーションの開発につながる」と、今後の展開に期待感を示した。
また、CTC日本地区代表のモリーン・ライリー氏はCSEについて、現在世界的に展開している167の体験のうち日本市場向けには50が紹介されており、日本で2012年1月に発表して以降、大手旅行会社やカナダ専門旅行会社のパンフレットで40の体験が商品化されていると説明。「これまでにない新しい商品も出てきた。カナダで体験できることが日本市場に広まっていると思う」と手応えを語った。CTCでは今年6月に新しい日本語ウェブサイトを立ち上げる予定で、そのなかで日本向けCSEも積極的に紹介していく考えだ
。
2012年のカナダへの日本人渡航者数は22万7000人。前年の18万6600人を大幅に上回った。今年1月から2月の実績もオーロラ人気とスキー需要に支えられ、前年比約8%増と好調だ。ライリー氏は2013年について「チームカナダとして各州観光局と協力しながら、旅行会社とのパートナーシップを強化していく。また、FITの誘致にも積極的に取り組み、25万人を超える日本人旅行者数をめざしたい」と目標を述べた。
CTCでは、東京に加えて、関西と西日本でのプロモーションも強化していく方針。5月末には夏の体験をテーマに名古屋、大阪、福岡で旅行業界向けのセミナーを開催する。
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