アクセスランキング、1位は入社式訓示、2位は支店運営の秘訣

[総評] 今週の1位は、旅行関係の大手各社の入社式における社長訓示が1位になりました。毎年必ず桁違いのアクセスが集まるコンテンツなのですが、はっきりいってしまえば例年、「市場の変化」や「厳しい環境」に「若い力で」「柔軟に」といった言葉が並んであまり変化がないもので、注目度の高さを不思議に思っていました。

 この理由は未だ推測できていないのですが、ただ今年はいくつかの会社が節目の年にあることは違いといえるかもしれません。まず近畿日本ツーリストはクラブツーリズムと経営統合して「KNT-CTホールディングス」となってから初めての入社式ですし、日本旅行も新中期経営計画の初年度。

 また、全日空(NH)グループも持株会社制に移行していますし、HISも節目とまではいかないかもしれませんが、昨年タイで設立したチャーター専門の航空会社が今夏に初便就航を計画しています。

 企業側の変化がここまで目立つ訓示は、この数年ではなかったように記憶しています。考えてみますと、東日本大震災を経験した翌年に日本人出国者数が過去最高を更新し、また昨年の4月からの1年間ではLCCの参入という旅行市場をひっくり返す可能性のある出来事もあったわけで、外部環境はそれまでにも増して大きく変化してきた中で、企業側の変革もだんだんと顕在化してきているのかもしれません。

 さて、今週の2位は名鉄観光サービスの支店長が語る支店運営の秘訣がランクインしています。このような旅行業の現場に関する記事のアクセスが多くなりますと、現場で働かれている皆様にも多く読んでいただいていることを実感でき大変嬉しく思います。

 また、こうした社内向けの会議を取材できることは少なく、ましてや成功のヒントなど他社には披露したくないものなのではないかと思ってしまいますが、それだけに貴重な機会を頂戴できたことは大変ありがたいことです。業界全体の底上げのために知識の共有は欠かせないことで、身勝手な考えではありますが、他の旅行会社からも同様のチャンスをいただけるようになりたいと願っています。

 なお、今週はこのほか、トラベルビジョンでは取り上げませんでしたが、サモア航空が旅客の体重で運賃を決定するというニュースが注目を集めていました。まだご存じない方はニュースサイトなどで検索していただければと思いますが、エイプリルフールの冗談かと疑いたくなるような思い切った決断です。

 個人的には、(腹囲以外は)痩せ型ですので悪い話ではなさそうな気もします。しかし、ついつい考えてしまうのは日本市場で導入された時に旅行会社の業務がどうなるかです。詳細な運賃体系はわかりませんけれども、お客様にご説明し、体重をお聞きし、運賃を算出して…と、これまた冗談のような光景が想像されます。

 パッケージツアーはどうなるのか、旅行会社の店舗に体重計が必須に、体重サーチャージもあり得るか、手荷物はどうなるのか、などとあれこれ思考がつながっていきますが、呑気に考えていられるのも対岸の火事だからでしょう。

 例えばLCCにせよFacebookにせよ、一時は日本では浸透しないと言われることもあったものが現状は触れるまでもありません。さすがに体重別運賃が一般化するとは思いにくいものの、変化の激しい業界だからこそ「絶対」はないという心構えでいる必要があるように思えるニュースでした。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2013年4月第1週:3月31日0時~4月5日17時)
第1位
入社式で社長訓示、環境変化に積極的なチャレンジ訴え(13/04/02)

第2位
名鉄観光、支店長が語る支店運営成功の鍵-全国支店長会議から(13/04/04)

第3位
トップインタビュー:エミレーツ航空日本支社長のエンゲルマン氏(13/04/02)

第4位
JTB、14年度プリンセス・クルーズ2万名めざす-ディズニーも(13/04/01)

第5位
ゴールデンウィーク、海外旅行は5%減も過去2番目-JTB調査(13/04/04)

第6位
中部、14年に新ターミナル開業-内際一体、LCCなどの需要に対応(13/03/31)

第7位
成田、23時台の離着陸制限を緩和-悪天候での遅れなどで着陸可能に(13/03/31)

第8位
大韓航空、持株会社制に移行-8月から2社体制に(13/04/02)

第9位
JTB、LCC利用の国内ツアー、ネット予約を開始(13/04/03)

第10位
第2種の中央旅行が破産申請-負債額は2億1700万円(13/04/04)