オーストラリア政観、堀局長が退任-16年半の尽力に謝意

  • 2013年3月26日

TA日本局長の堀和典氏 オーストラリア政府観光局(TA)日本局長の堀和典氏は3月31日付けで退任する。堀氏は1996年にTA(当時はATC)に入局し、旅行業界担当マネージャー、マーケティングマネージャーを歴任した後、初の日本人の日本局長として8年間務めてきていた。

 3月26日に開催したレセプションで堀氏は、16年半の在任期間を振り返り「大変なことも多かったが、楽しいことの方が何十倍も多かった」とし、「これからの人生もTAでの経験が多く生かされると思う」と挨拶し、集まった旅行業界関係者に堀氏の後任者やTAスタッフへの支援を訴えた。

 また、レセプションの前に実施した記者懇談会では、「良い時も悪い時も旅行会社のサポートを得られた」と語り、その結果もあって日本市場が「ここにきて少しずつ回復し始めた」とコメント。TAでは2020年に日本人訪問者数を10年比で40%増の56万人、観光消費額を2倍の30億豪ドルに拡大する目標を掲げているが、これに向けて「必ず戻ると信じている」と期待を示した。

駐日オーストラリア大使のブルース・ミラー氏 レセプションでは、駐日オーストラリア大使のブルース・ミラー氏とTA本局局長のアンドリュー・マカボイ氏、前観光庁観光地域振興部長で現国土交通省鉄道局次長の田端浩氏が挨拶に立ち、16年以上に渡る堀氏の尽力に対して感謝の言葉を伝えた。

 このうち、ミラー氏は「(堀氏の在任中は)SARSや911、東日本大震災と大変なことばかりであったが、持ち前の親しみやすさでオーストラリアのピーアールに強い情熱を持って取り組んでくれた」と強調。その上で、「独創性に富んだキャンペーンを次々に成功させた」とし、2012年の日本人訪問者数が6.4%増の35万人となったことは「堀氏の長年の尽力のたまもの」であるとした。

 堀氏の後任は、日本と韓国を統括する立場となる予定だが、現時点で最終選考に2名の候補者が残っている段階で、今後2週間程度の間に発表できる見込みだ。

 なお、堀氏は挨拶の中で、今後について「しばらくゆっくりし、これまでやってきたこと、これからできることを整理し、チャレンジして行きたい」と語った。