観光庁、MICE誘致強化で中間まとめ-国主体の対策、今後検討へ

  • 2013年3月10日

 観光庁は3月7日、第2回MICE国際競争力強化委員会を開催し、中間報告を取りまとめた。中間報告ではMICEのなかでも「C」にあたる国際会議に焦点を絞って実施。MICEの誘致には都市レベルでのマーケティング戦略の重要性が高まっているとした上で、都市やコンベンションへの提言として、海外の競合都市と比較して日本が大きく遅れている点、特に重要性が高く関係者の一層の取組が期待される主要事項を整理し、11の項目を設定。都市やコンベンションビューローへの提言とした。

 項目は(1)グローバルスタンダードを基準とする(2)MICE戦略の必要性(3)都市競争力の強化ツールとしてのMICEの活用(4)マーケットリサーチの徹底的な強化(5)目標値の再検討(6)誘致における重点対象分野の設定(ターゲティング)(7)海外競合都市との差別化のための取組の強化(8)大学や産業界などの主催側国内関係者との連携強化(9)国際ネットワークの抜本強化(10)国内関係者の連携強化(チームジャパンとしての取組)(11)都市・コンベンションビューローの体制整備、予算の確保の11項目となっている。

 例えば(2)のMICE戦略の必要性では、国際会議誘致においてグローバル競争が激化する中、海外有力都市では顧客視点でのマーケティングの高度化を進めて成果をあげていると説明。MICE誘致のためには、MICEマーケティング高度化のための戦略を再構築することが急務とした。また、(4)ではマーケットリサーチの徹底が必要と指摘。都市やコンベンションビューローにおける取り組みの強化が求められるとした。(5)の目標値の再検討では、今まで開催件数を目標値としてきたが、国際会議の開催で経済効果を重視するのであれば、参加人数や経済波及効果などを指標にすることができると指摘。重視する点を踏まえて目標設定をおこなうことが望ましいとした。

 さらに委員会では、今後検討すべき事項として、国主体で取り組むべき施策の取りまとめを掲げた。観光庁では、ユニークベニューの活用やテクニカルビジットなどの受け入れ環境整備といったMICEプロダクトの整備や、誘致に際し政府内での連携、都市間の広域連携強化などの誘致体制の強化などの課題をあげた。今後同委員会の下に設置した企画小委員会を4月中旬にも開催し、議論を進めていく考え。5月に開催予定の第3回委員会で最終的な取りまとめをおこなう予定だ。