モバイルに文字通訳表示、聴覚障がい者、シニア向けツアーで活用提案

  • 2013年2月19日

アイセック・ジャパン代表取締役の一瀬宗也氏  沖縄でインターネット関連サービスやコールセンター事業を展開するアイセック・ジャパンはこのほど、都内でセミナーを開催し、ユニバーサルツアーの一環として聴覚障がい者やシニア向けのモバイル文字通訳付きツアーをアピールした。

 これは、同社が提供するモバイル型情報保障サービス「e-ミミ」を活用したもの。観光ガイドなどが話した言葉を沖縄の遠隔情報保障センターが文字入力し、旅行者のスマートフォンやiPadなどのタブレット端末、バスのモニター・ディスプレイなどにリアルタイムで文字情報として表示するサービスだ。

 アイセック・ジャパン代表取締役の一瀬宗也氏は、高齢化が進む中、聴覚障がい者だけでなく、シニア層まで含めると「聞こえ」に不便を感じている対象者は全国に約600万人いるといい、「今後のシニア層(の拡大)や新規需要の発掘で、e-ミミの導入を検討していただきたい」と参加者に呼びかけた。今年中に旅行会社10社との取引をめざす考えだ。

セミナーでは実演も実施。ほとんど時差なく話した内容が字幕として出てくる  同社は現在沖縄を中心に事業を展開しており、昨年7月には沖縄でe-ミミを活用したモニターバスツアーを実施。参加者からは文字通訳があることでツアーの満足度が高まり、今後もサービスを利用していろいろな地域に旅行に行きたいとの声があったという。また、今年2月中旬には筑波大学附属聴覚特別支援学校が沖縄での修学旅行で利用しており、沖縄のジャンボツアーズが沖縄発長崎、ハウステンボス行きのツアーでも活用している。そのほか、大手旅行会社とサービスの導入について話し合いを進めているとした。

 一瀬氏によると、現在サービス導入事例は沖縄近辺のみだが、一瀬氏は今後日本全国に加え、海外ツアーでの活用も提案。時差の関係を考慮した上、オーストラリアやニュージーランド、マレーシアなどのアジア地域でのツアーで利用できるとした。