楽天トラベル、スマホ対応強化-海旅で需要創出のサポートも
楽天トラベルは、モバイル、特にスマートフォン向けの戦略を強化していく考えだ。2月4日に開催した新春カンファレンスで、楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は、旅行会社経由の予約や直販予約の代替として楽天トラベルがあるのではなく、新規需要を創出したいと述べ、そのためには「人と人を結びつける、今まで出来なかった情報を(スマートフォンで)提供して行きたい」とした。
同氏によると、1月前半の楽天トラベルのスマートフォン経由の流通額は前年比80%増と増加。このうち、1人利用のビジネスは10%増だが、2人以上利用のレジャーでは221%増だった。三木谷氏は、ビジネス利用はまだオフィス内でPC経由の予約が多いとの予想だが、レジャーについては「いかにスマートフォンと旅行との相性がいいか、ということがわかる」といい、今後のさらなる拡大に期待を示した。
楽天トラベル代表取締役社長の岡武公士氏も「スマートフォンの普及でいつでもどこでも(持ち主に)直接情報が伝わるようになるのは大きい」と述べ、スマートフォン経由の旅行流通の拡大をめざす考えだ。スマートフォン対応として、宿泊施設ページのリニューアルを実施。また、今年1月から、スマートフォン用のウェブサイトを宿泊施設がカスタマイズできるシステムを導入するなど、スマートフォンサイトの拡充をはかる。そのほか、サーチエンジン対策やアプリのダウンロード促進も実施していく。
また、岡武氏は2013年のキーワードとして、スマートフォンなどのモバイルに加え、アウトバウンド、インバウンド、オンラインカード決済、ダイナミックパッケージ(DP)、ユーザビリティの向上、システム連携の強化、チャネルの拡大の8つをあげた。
このうち、アウトバウンドでは拠点の拡大をはかる。現在海外拠点は11ヶ国19拠点にあり、2013年上期にはマレーシアに新たに拠点として事務所を設立する予定。岡武氏は「日本人が良く行く順番で(デスティネーションを選び)事務所を開いていく」と説明。各事務所で現地の魅力を独自に打ち出すことで需要の創出をしていきたいとし、そのためにスマートフォンなどのデバイスを使い、直接的に顧客に情報を発信していきたい考えだ。一方、インバウンドでは管理画面のリニューアルやサイトの利便性の改善、楽天グループや提携先、アフリエイトを活用したサイトへの誘客強化などをおこなっていく。
また、オンラインカード決済では、モバイルでのオンラインカード決済の促進をはかるとともに、事前カード決済の利用拡大もめざす。DPでは日帰りツアーや乗船チケットなどのオプションの取扱を増やすとともに、エリアコンテンツを拡充するとした。