KNT、13年ホリデイはテーマ性強化、高品質な旅で収益拡大へ

  • 2013年1月27日

KNT個人常務取締役海外旅行商品事業本部長の田口久喜氏  近畿日本ツーリスト個人旅行(KNT個人)は1月25日、2013年上期商品発表会を開催した。13年は旅行の目的を明確にした「テーマ旅行」を更に強化。高品質で収益性の高い商品を増強し、収益拡大をはかる。同社常務取締役海外旅行商品事業本部長の田口久喜氏は「『テーマ』というお客様のニーズに対し、価値があり儲かる商品、お客様に喜んでいただける商品を造成していく」と意欲を示した。13年上期は目標人数が前年並みの17万人、販売高目標は8%増とした。

 田口氏はテーマのある旅行を打ち出す理由として、航空会社やホテルの直販化が進む中「インターネット旅行会社の低コストな素材売りでは収益は上がらず、価格競争に陥る」と指摘。高品質で収益性の高い商品を増やす考えで、2015年までにホリデイの15%まで拡大したいとした。

 同社ではいままで「世界遺産」や「地球探訪」シリーズなどテーマのある旅を販売していたが、販売高はホリデイの2%から3%程度。今後は2015年までに10%程度まで拡大したい考えだ。3月にテーマ旅行専門の単独部署を立ちあげ、取り組みを強化していく。加えて、顧客のニーズを把握するためマーケティング部を新設。統合したクラブツーリズムのノウハウを活かして活動し、商品から造成に反映させていく予定だ。

 さらに、13年上期商品ではワンランク上質の旅として「プレミアム」シリーズを新設。観光やホテル、座席のプレミアムエコノミー商品の新設など、訪問先の現地事情や顧客のニーズに合わせて、方面ごとにそれぞれ特典を設定していく。

 また、今年は店舗との連携強化をはかり、顧客に対し「心地よさ」「快適さ」を提供していく。ホリデイではパッケージ旅行のアレンジを可能にし、店舗ならではのきめ細やかな対応をすることでキャンセルを防ぎ、顧客の囲い込みをめざす。コースに組み込まれた観光や食事の実施日の変更、ツアーへの途中合流、途中帰国などのアレンジを1件あたり4000円の手配料で対応。個人型コースを中心に対応していく方針で、田口氏は「(KNTの)店舗と我々が一体である強みを生かしてやっていく」考えを示した。

 さらに、パンフレット自体に工夫をこらし、店舗とインターネットのクロスチャネル化をはかる。スマートフォン向けアプリ「QUEMA」を活用し、ホテルや観光地などの動画コンテンツをパンフレットから読み取ることで、消費者がより旅のイメージが湧くようにした。ホリデイや期中商品の約9割で対応させる予定で、順次数を増やしていく計画。インターネット専用商品「クリッキー」の店舗での販売も実施するなど、クロスチャネル化を進めていくという。

 なお、今年からKNTはロゴを刷新。より親しみやすくわかりやすいよう「近畿日本ツーリスト」の名称を活かしたロゴとした。全社統一とし、全店舗で看板の変更などを1月末に実施する予定だ。