デルタがヴァージン株取得、スカイチーム加盟も検討
デルタ航空(DL)はこのほど、ヴァージン・アトランティック航空(VS)の株式の49%をシンガポール航空(SQ)から取得することでSQと合意した。DLとVSは、2013年末までに大西洋路線での共同事業(ジョイントベンチャー、JV)の開始をめざす。
DLはSQから3億6000万米ドルでVS株を取得。過半数となる残りの51%は、ヴァージン・グループとリチャード・ブランソン氏が引き続き保有し、VSのブランドと運航許可証も維持する。取引は欧州、米国の当局の認可を得た後、2013年第4四半期までに完了する予定だ。
JVでは、英国/北米間で両社が運航する1日あたり最大31便を統合してコストと売上を共有。また、マイレージプログラムの相互利用や、空港ラウンジのアクセスも共有する。JVの開始に向け、DLとVSは米国運輸省(DOT)に独占禁止法適用除外(ATI)を申請する予定で、共同事業の開始も2013年末までに実現する見込みという。
DLとVSが12月11日にニューヨークで開催した記者会見で、VS社長のリチャード・ブランソン氏はビデオメッセージで登場し、DLとのJVは「VSが次のレベルに進むためのマイルストーン」であると歓迎。一方、「独立の精神は堅持する」とも語り、VSのブランドやサービスは今後も継続していくことを強調した。
また、DL・CEOのリチャード・アンダーソン氏は、DLとVSが英国/北米間の市場に占める割合が24%から25%となり、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とアメリカン航空(AA)に次いで2位になることを説明。その上で、「旅客需要の点で、米国/ヒースロー空港間は世界中で最も重要な市場。2都市間を結ぶ直行便で旅客数が多い上位10路線のうち、8路線がヒースロー発着」であると語り、JVの実現によりヒースローからの路線網拡充が可能になると意欲を示した。
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