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10月の出国者数は3%減、通年1800万人超に近づく

 日本政府観光局(JNTO)によると、2012年10月の日本人出国者数(推計値)は前年比3.0%減の147万2000人となった。2010年比では2.4%増。中国と韓国への需要落ち込みが懸念される中で全体としては3.0%減に留まった背景について、旅行会社からは円高による追い風を受けて他のデスティネーションが引き続き数を伸ばしているとの声が聞かれる。

 これまでの日本人出国者数の最高値は2000年の約1782万人で、今年はこの更新と1800万人台への到達が期待されているところ。残り2ヶ月の推移を試算すると、仮に1996年から2011年までの平均値である11月135万6000人、12月133万7000人となった場合、通年の合計値は1831万4000人となる。

 また、1800万人への到達を前提として逆算すると2ヶ月で必要な出国者数は約238万人。2011年の実績は295万9129人であり、11月と12月が19.6%以上の減少とならない限り1800万人に達することとなる。2ヶ月の減少幅と通年の合計値の関係は、3%減で1849万人、5%減で1843万人、10%減でも1828万人となる。

 傾向として9月が0.7%減、10月が3.0%減と減少幅が広がっており、尖閣・竹島問題が顕在化してから新規予約が止まったとすれば11月と12月はさらに大きく減少する可能性もあるが、他のデスティネーションへの切り替えも期待できる上、1996年以降で見ると、19.6%以上の落ち込みは2001年の911や2003年のSARS、2009年の新型インフルエンザの際にしかなく、2011年の震災でも10%未満の減少に留まっていることから、よほどのことがない限り1800万人の達成は確実といって良さそうだ。